2007-0630-yts393
戦ひを忘れしごときボスポロス
いま穏やかにわれもたゆたふ 悠山人
○短歌写真、詠む。
○ボスポロス海峡、ヘレスポントス海峡の争奪戦は、古来絶えなかった。その危険性は、一見平和な現在も、変わらない。
¶ボスポロス=古代希語で Ο ΒΟΣΠΟΡΟΣ(ho Bosporos)、羅語 Bosporus を介して、日本では英米語風に「ボスポラス」が通用する。ところで、欧米諸語では、語中の -p- の代わりに -ph- も並存する。対応希語は -Π-、-Φ-。こういう時には、学生時代から Liddell & Scott の希英辞典で確かめることにしている。すると、英語では -ph- なのに、希語では -Π- しかない。こういう非対称(またはクロス対応)の例は、他にあるか? 俄かに思い起こせない。E. Britannica でも、両形ありとするし、私も今まで -ph-、-Φ- と理解していたので、不思議な気がしている。なお、E. B. によると、トルコ語では「Istanbul Bogazi, Karadeniz Bogazi, or Bogaziçi」と書き、「喉」の意とある。
□短写393 たたかひを わすれしごとき ボスポロス
いまおだやかに われもたゆたふ
【写真】軍事・通商の要衝は、トルコ領。モーター・ボートの船尾にトルコ国旗がひらめく。「iNANDILAR」号船上から撮影。
ET10
2007-0629-yim375
title : muslimWoman_inCairo
yyyy/mm : 2007/06
memo : 厳しいとされるシーア派イスラム教。しかし女性たちは、意外におしゃれを楽しんでいた。
【写真】朝のバスを待つ(?)、出勤前の女性。
ET09
初初と電網短歌を詠みしより
異国に迎ふふたとせの朝 悠山人
○短歌写真、詠む。
○「悠山人の新古今」、開設満二歳。これほどまでの展開を見せるとは、全く予想をしていなかった。ましてこの日を、地球の反対側で迎えるなどとは・・・。巧拙は措くとして、まだしばらくは続けられそうである。
□短写392 うひうひと でんまうたんかを よみしより
いこくにむかふ ふたとせのあさ
【写真】プールサイド東屋の花。カンナかな? カイロ市内のホテルで。
【memo】to the eager readers:私にとって、かなり長い二年間でしたが、いろいろな意味で支えていただいて、心から感謝しています。行方も知れぬ歌の道かな、という心境なので、気の向くままに、さらにお付き合い下されば、とても嬉しいです。e-mail は開いているので、ご感想・ご意見も気軽にお寄せ下さい。
ET08
2007-0627-yhs125
青モスク
カイロの空に
麗しき 悠山人
○俳句写真、詠む。
○イスタンブル(トルコ)のブルー・モスク(通称)の美しさを模して造られた。係結びではない連体形止めは、初めて?
¶モスク=イスラム教の聖堂。イスラム教≒アラビア語圏。
□俳写125 あをモスク カイロのそらに うるはしき
【写真】ワイド画面をやや補正し、色調を自動補正しただけ。柱頭の聖獅子に守られている。
ET07
獅子吼せる沙漠の空のそのすゑに
大地の民の幸ひあれと 悠山人
○短歌写真、詠む。
○アイギュプトスの一般民衆の貧しさは、目の当たりにすれば、さらに絶句。
□短写391 ししくせる さばくのそらの そのすゑに
だいちのたみの さきはひあれと
【写真】撮影時のままの構図は珍しい。空の色だけ色域調整した。カイロのブルー・モスクで。
ET06
2007-0625-yim374
title : theNile
yyyy/mm : 2007/06
memo : ナイル the Nile は、古代希語でネイロス。アイギュプトス(Η ΑΙΓΥΠΤΟΣ)はネイロス(Ο ΝΕΙΛΟΣ)の賜物、とはヘロドトスの名言。
【写真】霞が関だけではなく、都内の空も、かつてはこうであった。カイロ市内で。
ET05
いくちとせ熱砂に座せしスフィンクス
何か語らんことのありせば 悠山人
○短歌写真、詠む。
○日本にはない巨石文化。古人(いにしえびと)の知と技に、言葉を失う。
¶こと=「事」と「言」。
□短写390 いくちとせ ねっさにざせし スフィンクス
なにかかたらん ことのありせば
【写真】空の色を少しだけ整えた。
ET04
2007-0623-yhs124
ピュラミスを
護れる騎駱ぞ
頼もしき 悠山人
○俳句写真、詠む。
○騎駱警官が駱駝を座らせて一休みしている。三十度を超える毎日。
¶¶ピュラミス(Η ΠΥΡΑΜΙΣ)=「ピラミッド」の古代希語。古代史の用語は、ヘロドトスに由来することが多い。一般には歌句では使われない。
¶¶騎駱(きらく)=「駱」は、「漢字源」で確認して、駱駝。騎乗警官からの造語。
□俳写124 ピュラミスを まもれるきらくぞ たのもしき
【写真】アップ写真で見ると、目付きが緊張している。騎駱とは言っても、決して気楽ではない。背景はギザからカイロ。
ET03
2007-0622-yim373
title : the1stPyramid
yyyy/mm : 2007/06
memo : ケオプス・ファラオ・クフのピラミッド。古代建造物群の周辺は、観光客用の工事が絶えない。
【写真】カイロ郊外のギザで。分割撮影したものをコラージュし、全景にした。空の色にも少し手を加えてある。
ET02
埃及の地を見そなひしホルス神
眼鋭く傍にあり 悠山人
○短歌写真、詠む。
○かつての太陽神に代わって、今アッラーが全土を支配していた。
¶埃及=エジプト。アイギュプトス。現地語(エジプト・アラビア語)では、ミスル、またはマスル(同行の現地人通訳は、「マスル」と発音していた)。
¶ホルス Horus=古代エジプトの神。
□短写389 エジプトの ちをみそなひし ホルスしん
まなこするどく かたはらにあり
【写真】A340-200機。エジプト航空 Egypt Air のTM(trade mark)は、ホルスである。自席から撮影。
ET01