悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

短歌写真485 午後の日は

2007-10-31 03:40:00 | 短歌写真
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午後の日ははや影ながく伸びたれど
人ひとりだに見ゆることなし   悠山人

○短歌写真、詠む。
〇「完全な直線」だけで構成される世界。そこでは、曲線だけの人間は、容易に病む。

□短写485 ごごのひは はやかげながく のびたれど
        ひとひとりだに みゆることなし
【写真】首都高速道路、午後一時半ごろ。人影が消える瞬間、それがある。
【memo】Carl Theodor Dreyer(b. February 3, 1889, Copenhagen, Denmark:d. March 20, 1968, Copenhagen, Denmark)。<Vredens Dag>(Day of Wrath)、 1943。ほんの瞥見したところ、手紙は英語、祈祷文は世俗語、会話は非独語だが? 最後の日本字は「怒りの日」とだけ。

俳句写真169 マリの黄の

2007-10-31 03:30:00 | 俳句写真
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マリの黄の
くがねのままの
美しき   悠山人

○俳句写真、詠む。
○深まり行く秋の、黄の単色。そのままで美しい。SAの、アフリカン・マリゴウルド。
□俳写169 マリのきの くがねのままの うつくしき
【写真】同前。

短歌写真484 先にぞと

2007-10-30 00:15:00 | 短歌写真

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先にぞと急ぎもみぢの衣着けて
多摩の台地は赤味増しをり   悠山人

○短歌写真、詠む。
〇府中競馬場の辺り、心なしか紅葉を急いでいる。多摩(の)台地のほか、武蔵・武蔵野・関東などに代えてみて、自分なりの語調を調える。

□短写484 さきにぞと いそぎもみぢの きぬつけて
        たまのだいちは あかみましをり
【写真】競馬場は、すぐ右(東)。先日。少し都内の秋が続く。
【memo】<「源氏物語は世界文学」 英訳した研究者・タイラー氏来日>と、新聞が写真入りで紹介。(朝日、東本、文化欄) 綴りは Royal Tyler。


俳句写真168 ゆるゆると

2007-10-29 03:20:00 | 俳句写真
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ゆるゆると
花の気色も
変りけり   悠山人

○俳句写真、詠む。
○遅くまで咲いている・・・二度咲きだ・・・温帯から亜熱帯へ変わった・・・雪が滅多に降らなくなった・・・蛸漁解禁が二週間遅れだ・・・夏物衣料がいつまでも売れ続けた・・・金木犀が半月は遅い・・・火星が異様に輝いている・・・四十年来初めての豪雨だ・・・旱魃のせいで何万人も死んだ・・・山火事の被害が尋常ではない・・・犯罪史上初という事件が急増している・・・。
□俳写168 ゆるゆると はなのけしきも かはりけり
【写真】旧作(ことし)。

俳句写真167 棚引きて

2007-10-28 00:40:00 | 俳句写真
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棚引きて
富士も漸く
雪化粧   悠山人

○俳句写真、詠む。
○富士山に雲のたなびき、かすかに白雪の積もる見ゆ。家族連れ、大いなる芝に息(やす)む。恰も昨夜は暴風雨。急ぎ山頂山腹に白き衣敷き詰め、急ぎ逃げ去りたり。
□俳写167 たなびきて ふじもやうやく ゆきげしゃう
【写真】噂を聞いて、今月上旬。正面奥に、富士山を撮影。

短歌写真483 大戦の

2007-10-27 05:00:00 | 短歌写真

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大戦の風火に耐へし議事堂を
自由総理も見つ育ちしか   悠山人

○短歌写真、詠む。
〇選挙後、初の地方議会。ほぼ全員与党のなか、無所属の知人が一人、代表質問をする、というので、勝手に傍聴に行く。駐車場を気にしたこともあって、一番乗り。応援傍聴もそのうち、ぽつりぽつりと、女性ばかり。まあこんなものだろうと、手持ち無沙汰に窓外の写真を撮る。結果的に一時間半以上待って、彼女の堂堂たる演説が始まったときには、詰めて詰めての状況になっていた。折角だからと、動員もあったらしい。最初は笑ったり野次ったりざわめいていた与党諸賢も、彼女の動じない声調論旨と、圧倒的な満席女性応援団に気圧されて、すぐに静かになり、最後まで真剣に聞けた。歌は、この地で生まれ、談論風発を掲げた、かつての総理大臣を詠ったもの。
□短写483 たいせんの ふうくゎにたへし ぎじだうを
        じいうそうりも みつそたちしか
【写真】月初のころ。議場内は、拍手・撮影など禁止。
【my personal memo】ほんとうに、そんなことって、あるのだな。先程から頭の中が、まだ夢遊状態だ。夢は毎日見る。そこで演説することはない。それなのに、ゆうべは、さっきまで、数知れない、蝟集した人たちに向かって、呼びかけていた。人という、あらゆる人よ、ほんの少しの間、たとえ一分間であっても、いいことだけ・楽しいことだけ・幸せなことだけを、考えよう。他の人を一瞬でも、傷つけることのない、時間をもとう・・・。記して銘する。(朝五時)


短歌写真482 古きより

2007-10-26 05:35:00 | 短歌写真
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古きより西を入るとは言ふなれど
みのいるときのさぞやさぞなる   悠山人

○短歌写真、詠む。
〇隠されている語は、「古き(時代)」「入る(方)」など。関連して、紫雲丸大惨事のとき、「紫雲=死運」の命名が悪かった、という以外に、「紫の雲という表現は、昔から死を呼ぶ雲だ」という、いずれも信心・迷信にかかわる言辞が、さかんに流布した。紫雲には文学的な伝統があって、少し詳しくは、私の「悠山人 新古今和歌集 現代詠163 何もない」(2006年02月23日)を、参照されたい。
¶みのいる=「(わが)身が(西方浄土へ)入(はい)る」「実が入(い)る(成熟した自分になる)」と、掛ける。 
□短写482 ふるきより にしをいるとは いふなれど
        みのいるときの さぞやさぞなる
【写真】複数借用して、さらに加工した。

image414 茸?

2007-10-25 03:50:00 | images
2007-1025-yim414
title : mushrooms?
yyyy/mm : 2007/10
memo : 道端の大きな茸(としか見えない)。大勢が通るのに、誰ひとり目を留めないのは、幸せなのかも。
【写真】先日の研修会で。

短歌写真481 夢去りて

2007-10-24 02:10:00 | 短歌写真

2007-1024-yts481
夢去りて現のいとのなみも揺れ
雲居の道も閉ぢて嘆きぬ   悠山人

○短歌写真、詠む。
〇「いと(糸)」「なみ(波)」に「いとなみ(営み、生業)」を掛ける。
□短写481 ゆめさりて うつつのいとの なみもゆれ
        くもゐのみちも とぢてなげきぬ
【写真】旧作(ことし)。


俳句写真166 幸ねがふ

2007-10-23 02:30:00 | 俳句写真
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幸ねがふ
翁をどりに
声もなし   悠山人

○俳句写真、詠む。
○水源保全の研修会に、研究者・一般合わせて五百人ほど集まったか。その中で、地元能三番保存会の演奏演舞を鑑賞する。12世紀終わりの、藤原房秀(平家落武者)が伝えたもので、普段は農業をしながら、この演能を受け継いで来たという。先日は全国放映で埼玉県蓮田市(?)の「式三番」を瞥見したが、この山梨県黒平(くろべら)保存会のほか、同県岡の「式三番」も、熱心である。珍しい演目に、素晴らしい秋空の下、参加者は静かに聴き入っていた。全体は長いので、前半だけ。なお能・狂言の世界では、「三番」と書いて「さんば」と読むのが普通である。ついでだが、朝日新聞社も同日に、仲開き一ペイジ前面を使ったところをみると、かなり大きいのを実施したらしい。
□俳写166 さちねがふ おきなをどりに こゑもなし
【写真】翁を浮かび上がらせるため、背景を切る。同前。