悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

紫式部集073 お気の毒

2006-06-30 02:10:00 | 紫式部集
2006-0630-yms073
お気の毒転び踏まれて苔むして
尊いお顔も分からないわね   悠山人

○紫式部集、詠む。
○略注=年月を経た「卒塔婆」(そとば。墓標)が、倒れたまま踏みつけられたりしている、と詞書。平王ク歌番号083

 ¶心あてに=この辺だろうと見当をつけて(探してみると)。
 ¶仏の御顔(みかほ)=<『一切経音義』に塔婆は廟で、先祖の尊貌の
 意とある。卒塔婆は死者の顔を示すものとの考えによったものであろ
 う。>(新潮版注)
 ¶そとは=「それとは。そのようには」 though it seems not so for me。
□紫073:こころあてに あなかたじけな こけむせる
      ほとけのみかほ そとはみえねど
□悠073:おきのどく ころびふまれて こけむして
      とうといおかおも わからないわね
*now streaming : Artist=Everlasting Dream Republic of Korea Top Radio. MUKULCAST.COM  KPOP*(entirely in Korean language) 
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image127z 陸奥の-源融

2006-06-30 02:00:00 | images

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陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに
乱れそめにしわれならなくに  源融【百人一首014】

百人一首の依拠本は、講談社学術文庫『有吉保・全訳注 百人一首』。
最近のある記事に、この歌は、陸奥信夫の里の忍ぶ草(シダ)で摺り染めた布の乱れを、恋心の乱れに例えたもので、「モジズリ(ネジリバナ)を詠んだわけではない。」と、間違いやすい例に挙げている。(市報むさしの№1750、2006年03月15日) 前掲講談版にはさらに詳しい事情が載る。なお『広辞苑』『マイペディア』に「ネジバナ」はあるが、「ネジリバナ」はない。福島県信夫郡(往時)は、摺り染めの産地。写真は、自宅芝庭、昨日。
みちのくの しのぶもぢずり たれゆゑに 
  みだれそめにし われならなくに   みなもとのとほる


紫式部集072 有名な

2006-06-29 00:05:00 | 紫式部集
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有名な加賀白山を見慣れてる
私の目には伊吹山など   悠山人

○紫式部集、詠む。
○略注=琵琶湖から真っ白い伊吹山を見て。平王ク歌番号082

 ¶越の白山=。「越国(こしのくに)」の「白山(しらやま)」は、立山・富
 士山などと併称される霊山信仰の対象である。現代詠は「はくさ
 ん」も許容されるが、ここまで付き合っていただいた読者諸賢に
 は、作歌などの際には、伝統読みを薦める。歌028「時は春」(4
 月29日条)も参照されたし

□紫072:なにたかき こしのしらやま ゆきなれて
      いぶきのたけを なにとこそみね
□悠072:ゆうめいな かがしらやまを みなれてる
      わたしのめには いぶきやまなど

紫式部集071 猿たちよ

2006-06-28 05:00:00 | 紫式部集

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猿たちよ声援だけでもしておくれ
呼び坂越えは厳しいからね   悠山人

○紫式部集、詠む。
○略注=歌番号071~073の新潮版注。「越前から都への帰路の歌である。越前に一年余滞在後、親から離れて結婚のため都へ帰ったようである。それは長徳三年(九九七)の冬と考えられる。」 鹿蒜(かへる)山の難所(第027歌、4月27日条に解説)を越えて、呼坂(よびさか。現在地不明)で多数の猿の呼び合う声に出会った。怖いというよりも、無事に通過するようにと、声を掛け合っているように聞える。新潮本の「たにの」を、平王クは「田子の」とする。平王ク歌番号081

 ¶まし=「猿(まし)」と「汝(まし)」を掛ける。まし(猿)は、古今集に「ましら」
 の例。まし(汝)は、対称人代名詞。おまえ。源氏・少女に「ましが常に見る
 らむ」の用例。
□紫071:ましもなほ をちかたびとの こゑかはせ
      われこしわぶる たにのよびさか
□悠071:さるたちよ せいえんだけでも しておくれ
      よびごえざかは きびしいからね
*now streaming : Artist=BACH|Track=Carmignola; Marcon; - Sonata for violin & keyboard No. 5 in F minor, BWV 1018*
 http://65.19.173.132:4086


短歌時詠010 プラトンの

2006-06-28 04:55:00 | 短歌時詠

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プラトンの半身のまま世に出でて
残身探る旅終らんか   悠山人

○短歌、時に詠む。
○異性が惹かれ合う理由として引用される。
□プラトンの なかばみのまま よにいでて
  のこりみさぐる たびをはらんか
☆不思議な暗合①台湾ドラマ「情定愛琴海」(エーゲ海の恋、全40話)第一回の最後の一分を見た。ちらとカタカナ「プラトン」が見えた。え? まさか? 中国ドラマで?(北京語に聞こえた) あとで調べると、「プラトンの永遠」というギリシャゆかりの宝石ブレイスレットが、第一話の主役の一翼を担っているらしい。
②冥王星の新衛星二つに命名、というニュースが入った(今日の朝日新聞)。夜の女神、九頭の大蛇という活字に、カタカナ「ニクス」「ヒュドラ」と、ルビが乗っていた。ギリシャ神話からの借用なので、「ニクス」と書くなら「ヒドラ」、「ヒュドラ」と書くなら「ニュクス」と書くのがいい。悠山人と違って、マスコミの威力は絶大。しかも大部分の日本人は、古典ギリシャ語には無縁。朝日の記者さん、ほんのちょっと調べてから活字にしてね?
プラトンの短歌、ドラマのプラトン、衛星名のギリシャ語。今日という日の暗合だ。(午後9時追記)☆


短歌時詠007 歌に恋ひ

2006-06-28 04:50:00 | 短歌時詠
2006-0628-ytj007
歌に恋ひ恋に歌して四百余り
日に夜を継いで一年の過ぐ   悠山人

○短歌、時に詠む。
○昨年のこの日、goo ブログ「悠山人の新古今」を開設して、満一年。数えて見たらいつの間にか、年齢と同じくらい(まさか!)の、短歌四百首余を詠んでいた。感無量である。熱心な、あるいは通りすがりの、すべての読者に感謝する♪
□うたにこひ こひにうたして よほあまり
  ひによをついで ひととせのすぐ
祝 ブログ開設一周年♪ 皆勤一周年♪