
尾瀬原生林の朝七時。保護林で何よりいいのは、人工の気配がほとんどないことである。雨上がりということもあって、フィトンチッド(*)の横溢を体験する。樹種も実に多様で、無知がもどかしい。写真のように、色もグラデイションに満ちている。都会生活者には秋の森林浴も、心理的・生理的に有効だ。
読み:樹木=きぎ。
*フィトンチッド 「植物から発散される殺菌力のある芳香性物質の総称。森林浴が健康
によいのはこれを浴びるためとされる。」(広辞苑)
ここでちょっぴり、私のロシア語講座の仲間に入ってもらうとしよう。この物質は、旧ソ
連で1930年ごろ、ベ・ペ・トーキン(B. P. Tokin)が発見し命名した。だからФИТОНЦИД
Ы(フィトンツィードゥィ。男性名詞・複数形)という。ところが日本で紹介されたときに、ФИ
ТОНЦИД(フィトンツィートゥ、同・単数形。濁音は語尾で対応清音に発音)、fitontsid、日
本語ふうに訛ってフィトンチッド、となったらしい。
関連の話は、次のサイトにも詳しい。
http://www.phyton-cide.org/library.etymology.html