婉曲について疑問が出た。とおまわしのいいかた、と言ってみて、ようだ がそれであるというふうになって、比喩などの使い方は遠まわしになるけれど、直喩ではどうかなと思っていてそれで、ようだ については、婉曲かどうかということで、婉曲という字義について調べ始めた。それで、一通りの理解をしたわけだが、日本語にある婉曲とはどういうものかと検索をしていたら、日本語教育における「ようだ」の婉曲表現としての機能分類について という論考がヒットした。日本語教育の現場で、ようだ みたいだ の婉曲表現を学習者に理解させるという趣旨だった。みたいだ と並んでいるので、そうかと思って、立ち戻って辞書を確かめた。現代語の説明となるのだろうか、不確実な判断という説明があって、婉曲と不確実さは似て非なると思いながら、婉曲な断定があるのかと考え込んでしまった。婉曲は、直接言うのを避ける、断りなどで使う言い回しである。 . . . 本文を読む
国語学と意味論の研究について述べようとすると、それは1980年代までは海外の動きを伝える状況のようであった。それを国語学辞典の項目から読み取ることができる。国語学辞典は学会創立10周年記念の企画に1955年、出版された。学界は1944年、昭和19年3月30日に発足とある。それからこの辞典は同じく35周年を迎えて企画された記念出版であり、1980年、国語学大辞典となる。判型も大きく、項目も記述の分量が増えた。この双方の内容は大辞典が辞典を踏まえてその発展の軌跡を読み取ることができる。また学会誌には国語学があり、2004年には日本語の研究となった。それに2年の研究展望がありその項目に、総説、研究史、研究資料をはじめとして文法、語彙、音韻、文字、表記、文章、文体、社会言語、言語生活、地域言語、方言、数理的研究、そして海外における日本語研究を分ける。ここには意味論としての項目がない。 . . . 本文を読む