現代日本語百科   けふも  お元気ですか

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人間

2013-07-28 | 日本語百科
にんげん じんかん ひとま と読みがある。音読みは呉音、漢音となる。漢字が伝わった時期と地域をあらわしている。仏教語に世間 せけん、人間 にんげん、となる。漢詩に人間 じんかん の語がつかわれる。よく引かれる、人間到処有青山 人間到る処青山あり は、その出典を江戸時代にする。唐代の白詩に人の語が見える。にんげん という語が定着したのは、漢字移入の早い時期ととらえられるが、一方で、ひととひとのあいだを意味する用法がその後にあって、じんかん そのものの読みは限られた。いま使う人間の意味には、時代を下げている。 . . . 本文を読む

批評の種類

2013-07-28 | 日本語教育
批評について、翻訳語である。もとの意味するところは、クリティークcritiqueである。その語源はギリシア語のクリノkrinōに由来する。判断する、裁く、となっている。平凡社百科事典の引用する哲学事典の説明では、次のようである。A.ラランドの《哲学辞典》によれば、批評とは、ある一つの原理または事実を評価するために検討することである、と見える。その精神についても言う。批評的精神とは、いかなる命題も、みずからその命題の価値を検討することなしにはけっして受け入れない精神である、とある。この自らの命題の価値を検討することなしに、というのが難しいだろう。それは内的批評critique interneにあり、問題の命題の起源について行われるときには外的批評critique externeという。翻訳語は、批判をも使う。批判は哲学の議論というイメージが強く、批評は論文というエッセイに使われる。論文を批判する、文芸を批評する、などと言うので、この語の用い方が広がって、真偽、善悪、是非の内容を詰める批判の語が正しさを追求するあまり欠点や短所の不足を言うことのように捉えられている。 批評はやはり議論文をもって行われるところ、小論文のような語を生み出してさまざまに言葉を作っている。辞書の載せる語句から、批評に近い言葉として、芸術批評、批評家、批評眼、裁断批評、本文批評、文芸批評、文明批評、外在批評、内在批評、主観的批評など、批判で置き換えて、文献学にある本文批判ぐらいのことが妥当する。批判の語が哲学でもっぱら議論の対象とともにあって、その概念で英語、フランス語に道具となって、文章に表された経緯が日本語の翻訳語としてのクリティークである。critique という単語は、ギリシャ語の kritiki 、κριτική,何らかのモノの価値についての、洞察ある判断の語に由来すると説明するが、英語から日本語になった、クリティック、criticは、 批評家、批判者となり、いっぽうで、クリティシズム、criticismが批評、批判とするようである。この語を難しくするのはまた、このように英語由来の用い方の向こう側にフランス語での用いられ方があって、そこでの同じようなものが違って見えてしまう日本語である。 . . . 本文を読む

189  通過駅となります

2013-07-28 | 日本語新百科
日本語誤百科 35 ページ  通過となります駅 を、例題にしている。通過となります駅は~です この車内放送を表題にしている。解説では2つの誤りがあるそうだが、はて。ものが動作にならない、つまり、駅が通過となる というふうには言えないと解説する。この表現は、~となる 変化、帰結などを表す。駅を通過します というのを、この列車がその駅を通過対象とします というように意味内容を持って、駅が通過すると言っているのでなくて、駅が~となります 通過か、停車か、そのいずれかをアナウンスしている。解説はさらに、なります駅 の言い方をおかしいとする。丁寧体の表現で、話しことばでよく聞くことのある言い方だ。また形容詞節と説明している。ここでの名詞修飾を指してのことらしいが、通過となる駅 というのは、いわば連体修飾の用法であって形容詞の働きではない。駅が通過となります、その駅は~です、と言っていることを了解できるから、これはこれでよい。 . . . 本文を読む