今回は、大瓶束(たいへいづか)の装飾物・結い綿(ゆいわた)の部分に目を向けてみました。結い綿は、大瓶束の根元にある装飾です。家紋の結い綿は、綿の束をまん中で縛った上下に扇を開いたような形をしていますので、建築の方でも、そんな形のものが装飾的に付けられたので名付けられたのでしょう。
吉田神社本殿(平戸町1979)
ここは最もシンプルな大瓶束です。「大瓶」の名前の通り、いかにも大きな酒壺といった感じがします。
鹿島神社本殿(中河内町95)
「結い綿」という名称を意識した装飾なのでしょう。下部が紐で縛られた植物模様のようです。
吉田神社本殿(吉沼町157)
束本体が下に伸びたといった感じの、イチョウの葉のような模様の結い綿です。
香取神社本殿(中大野町703)
扇形の植物模様らしい結い綿が、別の材で作られて取りつけられているようです。
吉田神社本殿(堀町36)
植物の芽を意識した模様のように見えます。朱色がはえています。
桂岸寺本堂(松本町13-19)
唐草模様と植物模様が混じり合ったような感じの彩色結い綿です。桂岸寺は全体的に装飾にたいへんこだわってつくられているようです。