享保7年(1722)に江戸城大広間に掛けられたという、徳川光圀がつくった9ヶ條(10ヶ條とするものもあるようです)の訓戒の書があったそうです。いろいろな人によって伝えられているようで、この「水戸黄門光圀公九ヶ條禁書」は、県立図書館にある、筆者不明の文書のようです。伝わる文書によって、微妙な違いがそれぞれにあるようです。下は私の解読なので、そのつもりで読んでください。写真、「禁書」行の左側が、「楽は苦の種」の條です。
一 苦は楽の種 楽は苦のたね(種)と 知るへ(べ)し
一 主人と親ハ(は) 無理成(なる)ものと思(おもい) 下人ハ(は) 足(たら)ぬ物(者)と知へし(しるべし)
一 子ほと(程)に親を思へ 子な(無)きものハ 身に置くらへ(おき比べ) 近き手本と知るへ(べ)し
一 御掟(おきて)に恐(おそれ)よ 火におちよ(怖じよ) 分別(ふんべつ)なきものにおちよ(怖じよ) 恩を忘る事なかれ
一 分別とは 堪忍(かんにん)を もとゝ知るへ(べ)し
一 欲と色と酒とを かたき(敵)としるへし(知るべし)
一 朝寝すへ(べ)からす(ず) 長座すへ(べ)からす(ず)
一 小なる事を分別せよ 大成事(だいなること)に驚へからす(おどろくべからず)
一 九分ハ足す(くぶはたらず) 十分はこほるゝ(溢るる)と知るへ(べ)し