ほとんどがすでになくなってしまった行事です。行事はなくなっても、それぞれで願われたことは、どれも今でも思いは同じでしょうから、何かの形で今も行われているのでしょう。
写真は、鯉淵町の民家で見た藁ホーデンです。
正月 門松を立てない家
堀町では、正月に、門松代わりの青竹2本をたて、上の節穴に細く切った半紙をつけた竹枝をさした家があったそうです。またその家は、正月に、生木で焼いた塩引きか納豆を手づかみで食べたそうです。これは、佐竹氏に破れた江戸氏の臣だったその家の祖先が、佐竹氏との戦で、正月を竹藪で迎えたということを忘れないためにおこなう正月行事だったそうです。
正月 はっこめはっこめ
お正月に「はっこめ はっこめ はっこめなあ」と手拍子・足拍子で歌ったり踊ったりしてご祝儀として家々を回った遊民がいたそうです。これらの人は、同心の下で十手を持ってもいたそうです。「はっこめ」は「掃き込め」のことで、「福を掃き込め」という意味でしょう。江戸時代から明治まで続いていた行事のようです。浜田には万才歳橋、才蔵橋があったそうですので、正月に同じように家々を回る、万歳も水戸にはあったのでしょう。万才橋は、今の常陸山橋(備前堀)の前身です。
4月8日 おでえはんにゃ
大般若経の入った箱の下をくぐると無事息災だという信仰があったそうです。河和田では4月8日に行われていたそうです。「おでえ」は「おお(大)」の変化したもののようです。
9月9日 菊の節句
水戸では、重陽の9月9日に、菊の花を添えた赤飯を贈答するという習慣があったそうです。
11月15日 屋敷神祭
下国井の民家では屋敷神の祭を、本家・分家が集まって、藁ホウデン(上の写真)をつくり、11月15日に行ったそうです。これは水戸のどこでもおこなわれたでしょうし、今も形は多少形は変わっても行われていると思います。