水戸では、多様な植物が天然記念物として指定されているようです。下の数字などの多くは、平成22年に出版された「水戸の指定文化財」によります。
ヒカリモ(備前町36°22'20.5"N 140°27'50.6"Eあたり)
ヒカリモは、2本の鞭毛を持つ単細胞の藻だそうです。暗所で光を反射して黄金色に光って見えるそうです。指定地は、JR常磐線沿いの崖下にある洞窟であるため、立入禁止になっていて現在は見ることはできないようです。ヒカリモは、千波公園・少年の森の湧水(千波町)や茨城県立近代美術館裏(千波町)、成就院池(大塚町)など、市内各地で見られるようです。どこか、公開できる見やすいところがないのでしょうか。私は、芳賀神社(栗崎町1677)の湧水池で見たような気がします。
カタクリ(かたくりの里公園 有賀町2053-2)
カタクリは、ユリ科の多年草で、球根からカタクリ粉がとれるそうです。下向きで紅紫色の花を、8年目に咲かせるそうです。有賀町の群生地は広さ561㎡で、県下では最大級だそうです。公園内には、佐竹氏時代の有賀金山跡があります。
スギ(六地蔵寺 六反田町767)
胸高周囲は6.9m、根回りは9.3m、樹高約30mという巨木で、昭和30年と書かれた保存樹の表示には、推定樹齢が1100年となっていました。たぶん、水戸で一番の古樹でしょう。六地蔵寺には、市指定の天然記念物の樹木が3つあります。
イチョウ(六地蔵寺 六反田町767)
胸高周囲は約6m、根回りは12m、樹高は32mだそうです。昭和30年と書かれた保存樹の表示には、推定樹齢が800年となっていました。イチョウは、民家では植えるのを嫌われるそうですが、寺社ではよく植えられるようです。
シダレザクラ(六地蔵寺 六反田町767)
エドヒガン系のイトザクラだそうです。胸高周囲は2.3m、根回りは2.5m、樹高は約9mだそうです。徳川光圀が愛でた桜として有名ですが、今の樹木はその後継木だそうです。光圀がサクラを愛でて書いた漢詩の石碑が樹木の前にたっています。隣にあるシダレザクラも樹勢が強いようで、サクラの時期には指定のサクラと共に境内を華やかに飾っています。
コブシ(愛宕神社 愛宕町10-5)
愛宕古墳の後円部には愛宕神社が建っていますが、その神社に向って右側の、古墳前方部斜面にあります。場所が分かりづらいようです。胸高周囲は4.6m、根回り5m、樹高25mだそうです。見えにくいですが、写真では花が高いところで満開です。
シイ(和光院 田島町415)
2本だそうですが、根が連なっているようです。樹齢は約500年だそうです。先年火災があって、だいぶ焼けてしまい、姿もそうとう変わってしまったようです。写真は火災後のシイの姿です。
シイ(三の丸2-9-22)
2本の大木が並んでいますが、佐竹氏の時代にはすでに自生していたと伝えられているそうです。樹齢約400年、樹高約20m、目通り(目の高さの幹周り)約4mだそうです。藩政の中心地である、旧二の丸跡にあるシイですから、幕末の激動期を見てきた歴史の生き証人なのでしょう。