弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

「怒らないから 本当のことを 言ってほしい」って 言うじゃない?

2008年08月30日 01時52分14秒 | 未分類
日本人は、裁判で真相究明をという発想が強い。
残念!
とりわけ刑事裁判では、犯人の責任追及、あるいは無辜の不処罰を優先する以上、真相究明はある程度後退せざるを得ないことを認識すべきだろう。
人を処罰しようという以上、文明国では黙秘権(自己負罪拒否の特権)を保障し、弁護権を最大限保障しなければならず、その反面として真実から遠ざかっていくことは避け難い。
逆に、真相究明を主眼とするのであれば、処罰・処分はさておき、関係者に本当のことを言ってもらうことを最優先する手続を考慮すべきである。
究極的な例が航空機事故の調査委員会。再発防止のためには真相究明を最優先した方が良いことは容易に理解される。
医療事故もそれに準じた方が良いという考え方もあり得るだろう。