スナック・ゆうすけ

2005-11-05 | スナック・ゆうすけ
PROLOGUE

皆さんこんばんは!
ご無沙汰しておりました。
わたしが満★乳斎です。
最終回が終わったにも関わらず
戻ってきてしまいました。

「やっぱり書きたい!」

只、もういいたことは終わっちゃってる
し何かけばいいのか。

そんなこんなで新連載スタートです。

その名も「スナック・ゆうすけ」
よりミーン・レスな文章を皆様にお届け!
さ、入ってみましょうよ。
古びたドアをあけて、さあ。
day 1

カラン・・・



客:「久しぶりー。マスター。」

マスター:「やぁ」

フキフキ(マスター、コップを拭く)

マスター:「どうしました?浮かない顔して」

客:「いやね、いいこと無くて。オレの人生」

フキフキ

客:「いいことある?」

マスター:「私は孫の顔を見るのが生き甲斐でしてね」

フキフキ

客:「家族の~♪ 風景ってか。」

フキフキ

マスター:「自分らしく生きなきゃ」

フキフキ

客:「オレ、孫いないもんな~」

フキフキ

カラン・・・

外国人客:「イングリッシュ、オーケイ?」

マスター:「オーケイ」

外国人客:「アー、スモウク、オーケイ?」

マスター:「オッケイ!」

フキフキ

外国人客:スー、ハー

外国人客:「ヤスクニ、オーケイ?」

マスター:「アイ・ドン・ノー」

day 2


カラン・・・


マスター:「いらっしゃい」

客:「この席、いいですか」

マスター:「どうぞ、ご自由に。」

客:「よっこいしょっと」



マスター:「久しぶりですね」

客:「そうね」

マスター:「はい、生ビール」

客:「いきなり、びっくり」

グビっ

客:「突然でなんだけど、マスター、
   この店って一日の売上どの位?」

マスター:「まあ、3、4千円ってとこかな」

客:「! よくやっていけますね」

マスター:「道楽ですよ」

客:「やつれた顔でそう言われてもね~」

マスター:「いや、本当ですよ」

客:「だって3千円じゃ赤字でしょうが」

マスター:「まあ、いいじゃないですか」

客:「おたく、変わってるよ。全く」

グビっ!

day 3



カラン・・・



マスター:「いらっしゃい」

客:「どーもー。ごぶさたしてま~す」


マスター:「相変わらずいい尻してるね!」

     「胸もいい。」

客:「マスターってやらしいのね」

マスター:「そう?」

客:「ま、どうでもいいですけど。」
  「ジン・ライムいただけます?」

マスター:「450円、前金だよ。」

客:「前金でしたっけ?」

マスター:「変えたんだよ。」
     「売り上げ厳しいからさ」

客:「少しでも早く現金化したいのね」

マスター:「さ、払った・払った」

客:「店の雰囲気ってのも大事だよ、マスター」

マスター:「はいはい」

客:「なんか、つらそうね。」

マスター:「分かる?」

客:「眉間にしわよってるもん」

マスター:「実わさ。」
     「孫がさ。」

客:「聞いてるわよ、続けなさいよ。」

マスター:「ニートになっちゃた・・・」

客:「働かないんだ、いい歳して」

マスター:「もう26だよ」

客:「いいじゃない、別に。何が気になるの?」

マスター:「世間体、かな?」

客:「じいさんがそれだから孫はニートなのよ」

マスター:「やらしいじいさんじゃダメかい?」

客:「孫にとっちゃ最悪でしょうね。」

マスター:「ずばり言うね」

客:「ま、あたしは嫌いじゃないけども。」

マスター:「!」

客:「それよりお酒まだ~?金払ったんですけど」

マスター:「あー、スマン、スマン。」
     「はい、生ビール」

客:「ジン・ライムなんですけど」

マスター:「お、お、そうだった」


day 4


客:「マスター、あとどれくらいで閉店?」

マスター:「1時間くらいですかねー。」

客:「じゃ、これからさ、カラオケ行こうよ!」

マスター:「んー。」

客:「歌おうよ」

マスター:「んー・・・。」

客:「つらいこと忘れてさ」

マスター:「悪くないですね・・」

客:「それって行くってこと?」
  「決定?」

マスター:「ファイナル・アンサー」

客:「はい、決まり。じゃ、一時間後に。」

マスター:「歌ヒロ前で。」

~1時間後~

マスター:「お待たせしました。」

客:「さ、じゃ入りましょ」

~5分後~

マスター:「♪あ~な たとドリス・デイ!」

客:「♪ハッパ・ラバラバ」

マスター:「♪お~どろよ マッシュポーテイっ!

客:「♪ハッパ・ラバラバ」

~3分後~

客:「♪ウェンザ ナイっ ヒスコン!」

マスター:「ヒスコン!」

客:「♪エンド レリイスコン!」

マスター:「イスコン!」

~3分後~

マスター:「♪あれから~ 僕達は~」

~3分後~

客:「♪オ~ ネスティ~・・・」

~3分後~

マスター:「♪絶え~まーなくー・・・」

~3分後~

客:「♪ふぅ~」

day 5



カラン・・・・


キィ~ィィ。


ポタ・・・

ポタ・・・


客:「あの~、誰かいますか~?」
  「お酒呑みに来たんですけど~」
  「お~い」

ワン! ワン!

客:「わっ、ビックリした」

マスター:「誰じゃ~・・・」

客:「あ、閉店ですか?」

マスター:「全て、終わりじゃ~」

客:「あ、そうですか、じゃどうもー」

マスター:「わしを救ってくれ~・・」


バタン。

day 6



カラン・・・

客:「おひさし・・・あれっ」
  「マスター? いないのかな」
  「お~い!」

ゆうすけ:「祖父は死にました」

客:「どちら様ですか?」

ゆうすけ:「マスターの孫の」
     「ゆうすけです」

客:「マスターが、死んだ?」

ゆうすけ:「はい。癌でした。」

客:「・・・、そんないきなり言われても」
  「オレたち常連はどうなっちゃうのさ!」

ゆうすけ:「これからは私がこの店を営業します。」
     「祖父が私と同じ名をつけたこの店を」

客:「マスターはお前さんをかわいがってたからな~」

シクシク

ゆうすけ:「ニート生活も飽きてきてたし」
     「ちょうどいいタイミングだったんです」

客:「そうかい。じゃ、早速ビールでもいただこうか」

しゅぱっ

ゆうすけ:「へいっ おまち!」

day 7




カラン・・・

客:「どうも~」

ゆうすけ:「あ、ども。」

客:「調子はどうだい?若だんな。」

ゆうすけ:「まあ、気楽にやってますよ」

客:「料理とか、覚えてんの?」

ゆうすけ:「全部冷食です。」

客:「え~、」

ゆうすけ:「もうね、人間が調理する世の中じゃない。」

客:「客に向かってその台詞、どうかな~」

ゆうすけ:「なら帰って結構。」

客:「おじいさんと違って強気だねー。」

ゆうすけ:「私、先しか見てないんで。」

客:「若いのに、威勢がいいね~」

ゆうすけ:「こうやって生きてきましたから。」
     「生き抜いてきましたから!」

客:「ここに来る迄ニートだったんだろ」

ゆうすけ:「何飲みます?」

客:「じゃ、生ビール」

プシ~・・・

ゆうすけ:「ヘイっ お待ち~っ」

day 8




カラン・・・


客:「 あ~やっと開いてた~。」
  「もう、5日も休んで何やってたのよっ」


ゆうすけ:「客のあんたに言う必要ない」

客:「・・・。」 

  「いつもそうだけどなんでそんなに強気なの?」

ゆうすけ:「オレの店で何しようが関係ねーだろが」

客:「最悪のサービスね。」

ゆうすけ:「うるせー、だまれ」

客:「生ビール。」


ゆうすけ:「隣の店で飲め」

客:「私にだって客の権利があるのよ。」

ゆうすけ:「ドアの看板見てから言えよ」
     「その台詞」

客:「あ!クローズだ。」

ゆうすけ:「帰った、帰った」

客:「あなた、こんなんじゃ店ダメにするよ」
  「おじいさんの大切な店。」

ゆうすけ:「オレにとっちゃこんなダサイ店
      関係ねーんだよっ!」
     「こんなグラス」

パリーン・・・・

     「こんなレジ」

ガッシャーン・・・

客:「だれか~っ」

ゆうすけ:「こんなメニュー燃やしてやる」

ビリっ ビリっ ぼうっ!

ドカッ ドカッ 
バチっ! ボン
ボボン!


day 9



カラン・・・


客:「やってる?」


ゆうすけ:「いらっしゃい」

客:「昨日は荒れてたみたいだね。」
  「外から見てたけど、凄い音してたよ」 

ゆうすけ:「見てたんすか」
     「なんかむしゃくしゃしてて。」
     「一人女性客がいたんだけど    
      悪いことしちゃったな~。」
     
客:「その子はもうこないだろうね」

ゆうすけ:「でしょうね。」

客:「ま、じゃとりあえず・・・」

ゆうすけ:「生ビール?」

客:「じゃなくて、ワインもらおうかな」

ゆうすけ:「赤でいいですか?」

トクトクトク・・・

客:「白が良かったんだけどな~」

ゆうすけ:「すみませんね、先走っちゃって」

客:「まあ、いいよ。いただくよ。それ。」

ゆうすけ:「はい、お待ち」

客:「ちょっと、少なくない?量が」

ゆうすけ:「すみません」

トクトク・・・

客:「お、お、もういいもういい」

ゆうすけ:「すみませんね、」

ゴクリ

客:「んー。いい。これなんていうワイン?」

ゆうすけ:「そこのコンビニに売ってますよ」

客:「その答え、味も素っ気もないね」

ゆうすけ:「私に味を求められてもね~
      困るんですけど。」

客:「つまみ、何かできるの?」

ゆうすけ:「ええ。そこのメニューにあるものは」

客:「じゃあね、ピザ」

サッ

ゆうすけ:「はい、どうぞ。」

客:「あっためてよ!」



day 10



カラン・・・



客:「よっ!」

ゆうすけ:「   」

客:「生中ね。」

ゆうすけ:「はい。」

客:「お宅、どう思う?このご時世?」

ゆうすけ:「なんともしんどいとかしか」

客:「だよなー。」

ゆうすけ:「どうやったら稼げますかね?」
     「・・・三木谷みたいに」

客:「ネットで儲けるか・・・ねっとり」


ゆうすけ:「フ、フフフフフ・・・・」

客:「うけた?」

ゆうすけ:「フフフフ・・・」

客:「そんなに面白いか?」


ゆうすけ:「いや、ツボでした」
     「フフフ」

客:「そうかい。」

ゆうすけ:「はい、生中お待ちどうさま」
     「フフフフ」

客:「おいおい手、震えてるよ、こぼしてるよ」

ゆうすけ:「お、おおおお!フフフフ」

客:「取るからいいよ、おけよ!」

ゴトン

ゆうすけ:「ふー。おさまった。」

客:「もう、まったく。」

ぐびっ

ゆうすけ:「ねっとり儲けたいっすよ!」
     「アハハハハハハ」


day 11


カラン・・・・



ゆうすけ:「らっしゃいっ!」

客:「 ! 」

  「突然威勢いいからびっくりした。」

ゆうすけ:「ちょっと、気持ち入れ替えまして。」


客:「それはそうとさ、見たよ、テレビ。」

ゆうすけ:「8時のやつ?」

客:「特ダネ」

ゆうすけ:「オレでてたでしょ」

客:「そう、ビックリしちゃった」
  「おー、あいつ映ってるよって」
  「もう、大笑い。」

ゆうすけ:「あんな場所でね。」

客:「そう。で事件だってあんな凄惨なのに」
  「あんたが映ったらコメディーだよ」
  「あれ自分、気づいてなんでしょ?」

ゆうすけ:「全然。ノーチェック」

客:「誰かビデオ取ってないかな~」

ゆうすけ:「あの番組取ってる人いないでしょ」

客:「小倉さん取ってる人はいないよね。」

ゆうすけ:「おもしろビデオですよ。あれは。」



カラン・・・


外国人客:「ヒサシブリ・デス」

ゆうすけ:「らっしゃい。」

外国人客:「ヒサシブリ・デス」


ゆうすけ:「それしか覚えてないのか」
     「おまえ・・・」
コメント (3)
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