半年ほど前、
私のお店に二人の男子高校生がやってきた。
一人はカレードリアを注文。
もう一人が明太子スパゲティ。とメロンソーダ。
カレードリアの方はやや長髪のクールっぽいやつ。
明太子は体格のいい短髪の清々しいやつだった。
メロンソーダと、カレードリアはすぐにできた。
しかし、こちらの手違いで明太子を忘れてしまったんです。
それに気づいたのは随分とたってから。
やつはもうメロンソーダも飲み干していた。
相方はなんかゲームをやっていた。
気づいてからすぐに明太子スパゲティーをつくり
おそるおそるもっていった。
「申し訳ございません、大変お待たせ致しました」
「明太子スパゲティでございます」
するとやつは清々しく軽く頷いてくれた。
すると横のドリアを食べたやつが
「まじ おせんだよ」
とつぶやいた。ゲームやりながら。
なぜか私は切れてしまった。
体中の筋肉が騒ぎました。
いったん戻るがいかりが収まらなかった。
もう一度そいつらのテーブルにおもむき
その時あえて、テーブルにぶつかってみた。
ドンっ!
ドリアは驚いてこっちをみた。
私はそいつから目をはなさず
そいつの前にあるもの全てを回収した。
水のグラスも。
おしぼりなんかは握りつぶしながらトレーにのせた。
そんなことがありました。
政治も、教育も、宗教も
よかれ、よかれと。
うるさい。
人のため、おもいやり。
うんざりだ。
ろくでもねえ。
さんさん騒いで、よかれよかれと。
でこのろくでもない世の中はなんなんだよ。
かつての大人たちだって、よかれってやってたんだ。
昔から、よかれよかれとやってくれたんだ。
自民党もね。
よかれとやってくれたんだよこの50年。
テレビもね、よかれってやってくたんだよ。
それでこのクソな国ができた。
最近みみにつく革新的アイデアの数々。
こうで、こう。
で、こうみたいな。
しょせんはよかれよかれ。
もうやめてくれ沢山だ。
腐った鍋に酢をそそいでいるだけだよ。
相手によかれなんて言う余裕のなかった時代のが
どれほど清々しいか。
これまでずっとそうだったではないか。
エゴをもやせ。
そのエゴの犠牲となったものたちをおもい
時に自責の業火にやかれろ。
メセナ、ボランティアの精神なぞ
世界をなめつくしたアングロサクソンだけが
すればいいこと。
彼らのそうした行動は全てが再びエゴへと戻る
仕組み。だから清々しいんだよ。