
裏千家の薄茶はきれいに泡が立つように点てます。
その点て方に慣れた私達は、
泡と共に頂く抹茶の味がとても美味しいと感じます。
ですから、時々うまく泡が立たないと、
「こめんなさい、」と謝ったりしますし。
一生懸命に茶筅を振っても、
たまに何か条件がひとつでもそろわないと、そんなこともありますね。
でも流儀が違うとお茶の点て方もいろいろです。
例えば表千家さんは、裏のようにたくさん泡だてたりしません。
長年、表千家を修行なさっている友人がいます。
お茶の立て方の違いについての話になったとき、
「あの泡のあまりたないお茶も、点てるのが大変なのよ」と言われました。
「手をぬいてるわけじゃないのね」と冗談を言いましたが。
泡をあまり立てずに美味しく点てるのが難しいというのです。
どうしても一生懸命点てると泡がたってしまうそうで。
泡が立たないように押さえて、それでいて美味しいお茶に仕上げるのは難しい。
裏の薄茶も、あまり頑張って茶筅を振って、泡が立ち過ぎても、
風味がとんで、意外と美味しくなかったりしますけれど。
そうなんですね。どの流儀もお茶を美味しく頂いてほしいと、
心を心をこめて点てているのは同じなんですよね。
わたしたち裏千家が、右手ですることが正しいということを、
左手てしなさいという流儀もあるのですから、
目指すところは同じでも、そこに至る手段はいろいろ・・
それが流儀というものですね。
そん話を思い出しながら、
あまり泡の立たない、冷水で点てたお茶を、
今日も「美味しいですね」と頂きました。
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