「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

後半の人生の楽しみ方見つけましょう!

果報者の茶入れ

2013年11月05日 | お茶三昧


茶入れには釉薬の流れているところがあります。
これを「なだれ」といいます。
そしてその先端を露といいます。
そこを正面として、茶入れを拝見する時の見所の一つとなりますね。
「お茶入れには名だたる茶人が、本来の正面でなく、
それぞれが自分の正面を見立てたという茶入れがありますよ。」
お茶入れの拝見をしながらそんな話をしました。

大名物。漢作唐物の「松屋肩衝」は、四方になだれがあり、
本来の見立てのほかに、利休見立、織部見立、遠州見立があります。
どこから見ても美しいお茶入れだということですね。
それぞれが好きな場所を見立てて、譲らないのも面白と、
私などは単純に思いますが、もっと深い因縁があったのかもしれませんが。

そして私がこの茶入れがさらに羨ましくも果報者だと思うのは、
それぞれの好みの仕覆が添えられているということです。
大変古いものですから、本来の色などもう見る影もないのですが、
裂地名鑑などで、復元されたきれいな色で見ることができます。

今は根津美術館蔵になっていますね。
私も二度、目にする機会がありました。
会うたびに見方も違ってくるようで、
またお目にかかりたいものです。



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