
日本橋高島屋の紙袋。
入れて持ち帰ったのは、小峠丹山作「オランダ写ブドウ絵鉢」
先日ぶらりと覗いた個展で、思わず手が出てしまった鉢。
いつの日かお目見えすると思うけれど、
デビューの時を待つ器がまた一つ増えた。
「箱ができました」と連絡が入ったので、出先から寄ってみることに。
東京駅の八重洲口から歩いて日本橋高島屋までむかった。
若いころの一時期、確かこの道は何度か通った思い出が。
目的は百貨店ではなかったはず。
何だったのだろう。
近くまで来て目に飛び込んで来た「MARUZEN」の看板。
そうだった、丸善に通ったのだ。
もう三十年以上も前だと思う。
そのころ、そこには別の店にはないものがあったのだろう。
ちょっと先端の物が手にできると、通ったのだろうか。
でも、
何かもう一つ目的かあったようにも・・
そう、ちょっと気に入った「喫茶店」だったかも。
気に入ったというよりも、通り道にある「てごろな」だったかもしれないが。
そこでいつも同じ人と待ち合わせしたような。
男性ではなかった。
そうなると親友の彼女かな。
そんなこと聞いたら、
「別の人じゃなあい」と笑われそうにも思う。
遠い思い出が、小説の中の一ページのように、
現実とも、物語の一節ともつかないままに、
歩く道すがら胸をいっぱいにした。
「品物は送りましょうか、お持ちかえりになりますか?」
そんなに重くないので、気をつけて持ち帰ることにした。
デパートのエントランスにはもう、クリスマスツリーが。
今年の思い出作りも、あと少しになった。
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