長緒結び 紐休め
志野袋です。
初めて、七事式の「仙遊の式」で使うことになった時、
この袋を袂に入れておくのが、とても嬉しかったのを覚えています。
いつの間にか二つに増えていました。
裂地に惚れて手に入れてしまったのかもしれません。
めったに使うものでもないのに。
「仙遊」とは、お花を入れ、炭をつぎ、香を聞き、
それから濃茶と薄茶を頂くという、本当に贅沢な時間を過ごします。
まさに仙人になって遊ぶ境地に浸れそうですが、
これは修練のための集団点前の様なものです。
皆が気持ちをそろえて一糸乱れず、
それぞれの役目を果たさなくてはならないので、
遊ぶという境地になるには修行を積まなければなりませんが。
志野袋には、香木が入っていて、
札の当たった人が、それを焚くことになりますが、
当たらなければ、持っていっても出番がありません。
でも用意だけはしていくことになります。
香包みを出した後の紐の処理
最後に袂にしまう時の紐の処理
紐の扱いも大変ですが、楽しいですよね。
今日は茶友の先生と、「仙遊の式」をしましょうということになり、
メンバーを集めてくださったので、この志野袋を袂に出かけました。
残念ながら、私は「東」( 亭主に当たります)になり、
香をたける次客の札は引きませんでした。
でも久しぶりに出して眺められただけでも、幸せでした。