約40年ぶりに「自覚と悟りへの道」を読んだ。
~神経質に悩む人のために~という副題が添えられている。
きっかけは、先日拝聴した山中 和己先生(NPO法人生活の発見会顧問)の講話であった。
10代の頃に、初めて読んだ感動が、蘇る。
振り返ると、私が最初に読んだ森田関連の図書は「自覚と悟りへの道」であった。
今から思うと千にひとつの幸運であった。
冒頭に、森田先生の門弟の水谷 啓二先生が書かれた体験記があった。
一冊を明け方までかかって、一気に読んだとき、心が震えた。
私自身の事が書かれてあると思った。
あれから幾星雲、水谷先生が、亡くなられた年齢に近づいた私は、
還暦を前にして、もう一度水谷 先生に出会わせていただいた気がする。
おこがましいが、50代にしてようやく少しだけこの著書に近づいた感がある。
自覚と悟りへの道には、当時これから、世の中に出ていこうとする若者の、
魂の発露とでもいうべき真摯な言葉が、随所に散りばめられている。
そしてその若者への厳しさと慈愛に満ちた森田先生のコメントが圧巻であり感動に満ちている。
私は、昨年たった一人の弟を突然くも膜下出血の病で失ったが、
森田先生もまた、当時20代の医学生だった弟様を、戦争で亡くされている。
さらに森田先生が一人息子様を亡くされたくだりは、涙で読めなくなるほど文字が霞んだ。
是非、若い会員の仲間に、この魂の書を一読されることを、お薦めしたいと思う。
最後に森田先生のお言葉を紹介し、私の駄文の締めくくりとしたい。
以下、自覚と悟りへの道より
※生死の問題や人生問題をつきつめて考えたことのない人に心機一転のおこるはずがありません。
※画像撮影も筆者
2019.5.2