心の事実をありのままに認める
私はそれがいいか、わるいかを問題にしているのではありません。
私はただ、自分の心の事実をいっているのです。 自分の心の事実をありのままに認め、ありのままに白状するだけです。わたしは倫理学者ではありません。私はただ、事実を正しく観察し、研究する科学者でありたいと念じている者です。(中略) 私どもは、何もムリに善人になろうとしなくともよいのです。ただ、事実のあるがままを認め、自然に服従し、境遇に従順でありさえすればいいのであって、努力をするのも、ズボラをするのも、それ相応の応報をうける覚悟でおりさえすればよいのです。人に不機嫌な態度をもって接すれば当然人から嫌われ、人に親切の押し売りをすれば後に怨まれることになり、ズボラをすれば一生ウダツがあがりません。そういう当然の応報を男らしくわが身に受ける覚悟であり、ズボラでありながら成功したいなど虫のよい考えやごまかしがなくなれば、その人は勇者であり、善人であるといえるのです。
(自覚と悟りへの道、142頁)