大阪水曜ほっと集談会一世です。
最近うれしいことに、医療機関やカウンセリングルームからの紹介で私たちの自助グループに参加される方が随分増えました。
喜ばしいことではありますが、反面答えに窮する問題もあります。
ずばり、薬についての質問です。
不安になったときや極端に落ち込んだとき、薬とどのように向き合うのかという切実な質問です。
私たちは医療機関ではありませんので薬を服用すべきか、どのような頻度で服用すべきかについては、必ず主治医と相談の上判断してくださいとコメント致します。
ここで最も気をつけなければいけないことは飲むのが良いのか飲まないのが良いのかの極端な素人判断は危険であり、自分の体験のみでその領域に踏み込んではいけないということです。
そんな折に、自助グループの仲間の会員さんから面白い話を伺いました。
ご本人に許可をいただいたのでお伝えします。
薬はメガネ!
なんのこっちゃと思われるかと思いますが、とても面白い表現だと思います。
文字が見にくいときに自然とメガネをかけるように、もっと柔軟に肩の力を抜いて薬と向き合いませんかというメッセージと私は受け取りました。
私はシニア世代なので当然のごとく老眼鏡をかけて、このブログを毎日書いています。
そのことに対して良いとか悪いとか悩んだり葛藤はありません。
ところが薬に関しては極端に飲みたくないとか、飲まないといけないとの狭間でストレスを感じてきました。
過去に内科や心療内科等で様々な薬を処方され残薬の処理に困った経験から感じることを申し述べます。
薬を服用することで日常生活が普通にこなせるのであれば大いに薬の力を借りるべきでしょう。
メガネや杖と同じです。
ただ自分の体に入れるものなので、当然副作用のリスクが生じます。
体質に合わない薬や多すぎる薬の量については医師任せにしないで副作用や成分について調べたり自分の考えを持つべきだと思うのです。
そのことを質問したり主張して不機嫌になったり高圧的になったりする医師は変えた方が良いと思います。
若き日の森田博士も薬と向き合う体験をされています。
以下森田博士の言葉より
「医科大学一年のとき、大学の先生から脚気と神経衰弱であるといわれて一年中薬をのみつづけました。
試験前になって、どうしたことか父から学費を送ってきません。
それで私は大いにふんがいし、おやじにツラあてに薬を飲むことをやめてムリヤリに勉強しました。
その結果は、脚気と神経衰弱はどこえやらなくなってしまい、その上に試験の成績も上出来でした。
後になって考えると、それは脚気でも神経衰弱でもなく、実は神経質だったのです。」
このときの体験こそが後に森田博士が精神療法を創始される原点ともいえる貴重な体験であったと思う一世です。
2024/06/28 一世