宇田川らんちゅう らん丸の池 (宇野系らんちゅう)

宇田川英雄翁は宇野仁松翁より秘蔵らんちゅうの改良を託され,2・3・4・5筋と体系づけた素晴しい魚を残して下さいました.

宇野先生のらんちゅう “筋”について

2008-04-19 05:13:29 | 資料室

我々が使っている“筋”という言葉がややもすれば曲解されているようなので宇田川先生からお聞きしたことを書いておきます。

五筋本流
四角い座布団のような兎兜、程よい目下の鬢、そして錆

宇田川先生の談話
私と宇野先生のお付き合いは昭和47年から亡くなられた57年までで、この間に、宇野先生と私との間で系統立てたらんちゅうの区分けの為“筋”という呼称を使う話がありました。この頃,宇野先生と魚の議論をするのは私だけで、他の京都の方達は入っていませんでしたので、この“筋”の話も他の人達は知りません。系統の維持とは無縁ですので、知る必要も無かったのです。

私が今携わっている魚は、宇野先生からの預り物です。宇野先生の晩年に、先生は秘蔵っ子のらんちゅうを3人に託されました。50年の歳月を掛けて開発された“5筋”とよばれるらんちゅうは日本らんちゅう愛好会の寺崎氏と四国の紀伊氏に、そして改良途上の“4筋・3筋”方向に進もうとするらんちゅうが私のところへ預けられたのです。このことは宇野先生と託された方だけの内輪の話で宇野先生は誰にもこのことを明かしていませんでした。私は先生との約束でこのらんちゅうを基に東京の仲間達と共に区分けを重ね現在の5・4・3・2筋に繋げて来たんです。

五筋本流

“筋”とは基本的に型で分けてあります。いわゆる会魚の観点ではなくてあくまで型分けが目的で、後に始める人の目安になればと考えていますので、品評会とは違った区別けの発想です。  (平成13年秋に宇田川先生からお伺いした話です)

この“筋”という言葉を宇野先生の口から聞いたことがないと巷間でささやかれているのは、前述のとおり会で競っておられたそのころの重鎮の方達と宇野先生の間では系統というテーマでの魚談義がなかったからに他ならなかったということがわかっていただけると思います。
姫路宇田川会のメンバーの殆どが実際の宇野先生の池に泳いでいたらんちゅうを見たことがありません。見たこともないものを宇野らんちゅうと偉そうに言えませんので、宇田川先生からお預かりし、現在飼育しているらんちゅうをあえて“宇田川らんちゅう”と呼んでいるのです。宇田川先生の残されたらんちゅうを系統だてて仲間と共に維持改良を続けて行くのが私たちの役目、これからも皆で力を合せ頑張って行きたいとおもっています。らん丸

コメント (5)
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