傷害致死罪で服役から仮釈放となった三上純。刑務官だった南郷から、保護観察期間に当たる三か月間の、弁護士の下での仕事に誘われる。それは刑の執行が目前に迫った、10年前の犯行時の記憶を亡くした死刑囚の無実を明かすための調査活動だった。三上を誘った南郷は、過去に二人の死刑囚の刑の執行に関わっており、その時の想いに駆られて仕事を引き受け、一方で更生の余地のある三上を救いたい思いで・・・三上は死刑への恐怖の共感と、自分の犯した罪の慰謝料で生活が困窮している両親を救うために成功報酬も手に入れたくて・・・二人は10年前の事件の調査に乗り出すが、仮説を立てれば崩れの繰り返しを経て事件の真相は意外な方向に・・・って感じのお話?
重厚な肌触りで、正統派のミステリィ。ミステリィとしての驚きも犯罪小説の悲哀もぎっしり詰め込まれて濃厚です。最近ポップな小説が好きなので久々な感じも一気に読まされました。ストーリーの組み立てとか人物・情景描写とか・・・引き込まれますね。
非常に面白かったです。
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