恩師のご著書「講演集」より
講演、四
えびす詣でと、大黒様
先の続き・・・
或る若い衆がいて、仕事嫌いのなまくらで、
何とか仕事をせずにお金を儲ける方法はないものかと考えまして、
「一度、大黒様に打ち出の小槌を振ってもらったら、
福が出るかも分からない」と思って、大黒様に願かけをしたのです。
仕事もせず、毎日毎日、「どうぞ、打ち出の小槌を振って小判を出してください」
とお参りを続けて、満願の日になりますと、突然、大黒様が打ち出の小槌を
振ったそうですね。
いよいよ小判が出るのかと思っておりますと、大黒様がこのようにおっしゃったそうです。
「この槌は宝与える槌でなし、なまくら者のどたま打つ槌」つまり、一生懸命
働いたら、福は入るものだというこを教えておられるのです。
仕事をしない者は頭を打ってやると言って、槌を持っておられるのだそうですね。
そんな大黒様に対して、「どうぞ、福を出して下さい」と言って、
お参りするほうがおかしいのです。
~ 感謝・合掌 ~