浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

恩師の歌集「愛」より

人の世に神の御心
伝えしは我は父なる
神の子の故

「御垂訓」

2020-12-12 00:47:07 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

  恩師のご著書「講演集」より

              講演集、 三

       「真実」は目に見える「形」ではない


形の中にほんとうの真実があるのとは違います。
一休和尚さんが檀家の法要を頼まれて、墨染の衣を着て出かけていくと、
「お前のような乞食坊主を誰が呼んだか、帰れ帰れ」と言われて、
家に入れてもいただけなかったのに、
お寺に帰って金襴の衣に着替えて出かけますと、
今度は「よくおいで下さいました。どうぞ奥へ、大和尚さま」と言って、
奥に通されたそうですね。一休さんは仏壇の前にその衣を脱いで、
そこへ置いて帰ってこられたのです。

「そんなものを置いてくれても困ります。
お経をあげてもらわねばどうにもなりません」と、檀家の方が言われますと、
一休さんは、「私がさっき来ました時は、
家にも入れていただけなかった。ところが、衣を替えてきたら、
どうぞどうぞと入れてくれたのですから、
あなたが有難いのは、衣なのです。

だから、衣に拝んでもらって下さい」と言って、
ご自身は帰えってこられたそうですね。
これは、形に囚われているから、こういう間違いを起こすのです。
形の中に真実はありません。
流行歌にもありますように、
「ボロは着てても心は錦」、心に錦さえ着ていれば、
服装など姿形は関係ないのです。


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