恩師のご著書「講演集」より
講演集、 三
相手の立場に立って見る訓練
私たちはどれほど「私は間違っていない、私は正しい」と思いましても、
五官を持つ私たちは、
すでに自己保存と自我我欲という色眼鏡がかけられていますから、
見た時、正しいと思っていても間違っているのです。
自己中心に物を見た時、もう自己保存と自我我欲の色眼鏡から逃れることはできません。
ではどうすれば、その煩悩の色眼鏡を取り外すことができるかといいますと、
これはただ一つ、相手の立場に立って見ることです。
そして、善意なる第三者の立場に立つことです。
天の立場、或いは神様の立場に立って、自分と相手を見る訓練をすることが大切です。
自分を中心にしたら、間違います。
それは、感謝を失い、不足や愚痴に囚われることになります。
ご夫婦の間でもそうですね。
ご主人が一生懸命に働いて、そして奥さんは結構に暮らさせてもらっていて、
それでいて、「私は嫁さんだから、主人が養ってくれるのは当たり前だ」と、
感謝を忘れると、主人が有難い存在だということを忘れてしまうのです。
また主人もそうです。