恩師のご著書「講演集」より
講演集、 三
ほんとうの心の安らぎ
先の続き・・・
ところが、ちょっと叩かれても腹を立てて、
「やったな」と言って、一つやられたら三つぐらいド突きにいっています。
悪口を言われたことぐらいのことで、一言言われたら、
今度は十ぐらい言い返す人がおります。
自分のこの肉体というのは、この世限りのものです。
しかし、心はあの世、来世まで持っていかなければならない大事なものです。
肉体は物質です。
買い物に行って、お釣りが三十円或いは五十円不足していると、
「えらいことだ」と言って、取り返しに飛んでいくのですけど、
肝心の心を失うことを何とも思っていません。
しかし、このお金とか肉体とかの物質は、全部この世に置いていくものです。
持っていくのは心一つです。
その心をズタズタに傷付けて、或いは真っ黒けにして、或いはいっぱい錘を
つけてこの世を去った時には、天上にあがることができないのです。
自分の心を常に安らかに、或いは軽く、或いは広く豊かに、守るべきです。
そのほんとうの心の安らぎは、人さまへのご奉仕です。
人さまに喜んでいただいたという喜びによってしか、
ほんとうの心の安らぎを頂くことはできません。