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~ 恩師の「心行の解説」より ~
先の続き・・・
身近な親しい人が正しくないことをされる場合も同じことです。
腹が立ったり嫌いな思いをしたり、ひどい時にはカッカときて、
他人の愚かな行為のために自分が心の楽しみを失います。
自分は間違っていないのに、
人が間違ったからといって自分自身の心を苦しめる方が多いのですが、
この時、私たちは次のように思うことです。
「人の愚かなる行為をもって、我が心の楽しみを失うことなかれ」と、
人が愚かなことをした場合、大半の人はそのことで自分の心を苦しめます。
例えば電車に乗っていてすごくマナーの悪い人に対して「ほんとに、
ようあんなことができるものだ」と怒っています。怒るのは自分ですね。
マナーの悪い人は他の人なのに、それを見て怒って自分の心が苦しんでいます。
人の愚かなる行為をもって我が心の楽しみを失う者は、なお愚かなリ」。
他の愚かな行為で、夫婦の間でも友達の間でも心を苦しめることは多いのです。
「ほんまにうちの嫁さん、もう何をやってるのや―」と、
自分がしてないのに自分の奥さんのことで怒っていますと、
嫁さんより婿さんのほうが愚かになります。
逆の場合も同じことですね。「うちのお父さん、しょうがないなあ」
と言って主人に腹を立てていますと奥さんのほうが愚かです。
自分が愚かなことをしたら、これは悔い改めなければいけませんが、
人が愚かなことをして、それで自分が怒っていたら、
その愚かな人よりも自分のほうがなおアホということです。
人のことで自分が腹を立てないこと、ましてや相手が間違っている場合に腹を立てたら、
丸損でございます。これを専門のようにして、
人の悪いことばかりを言ったり書いたりして怒っている人がありますね。
あれは丸損です。
自分の心の休まる暇がありません。
他人の悪いところばかり目につく人は、常に心がいら立って、腹を立てていますから、
心の中に安らぎのあるはずがありません。
こんな人は死んだら必ず硬くなります。
これは絶対に間違いありませんから、
そういう人を一度見ておくといいですね。
~ 感謝・合掌 ~