『献灯使』 多和田葉子 講談社文庫
全米図書賞(翻訳文学部門)受賞。大災厄に見舞われ、外来語も自動車もインターネットもなくなり鎖国状態の日本。老人は百歳を過ぎても健康だが子どもは学校に通う体力もない。義郎は身体が弱い曾孫の無名が心配でならない。無名は「献灯使」として日本から旅立つ運命に(表題作『献灯使』)など全5編。
震災後の日本を想像させるような世界が舞台。なんだか不思議な味わいの話。
「韋駄天どこまでも」は、深刻な話に漢字遊びや言葉遊びが散りばめられ、しかも恋のような甘やかな味わいがある。例えば、主人公の東田一子と束田十子の名前。十の縦棒を束の横棒にすれば、束田十子が東田一子になる。
「献灯使」にしても、「遣唐使」や「献灯」など二重の意味を感じて、イメージが豊かになる。
いろいろと想像させるところは、俳句っぽいかも。
全米図書賞(翻訳文学部門)受賞。大災厄に見舞われ、外来語も自動車もインターネットもなくなり鎖国状態の日本。老人は百歳を過ぎても健康だが子どもは学校に通う体力もない。義郎は身体が弱い曾孫の無名が心配でならない。無名は「献灯使」として日本から旅立つ運命に(表題作『献灯使』)など全5編。
震災後の日本を想像させるような世界が舞台。なんだか不思議な味わいの話。
「韋駄天どこまでも」は、深刻な話に漢字遊びや言葉遊びが散りばめられ、しかも恋のような甘やかな味わいがある。例えば、主人公の東田一子と束田十子の名前。十の縦棒を束の横棒にすれば、束田十子が東田一子になる。
「献灯使」にしても、「遣唐使」や「献灯」など二重の意味を感じて、イメージが豊かになる。
いろいろと想像させるところは、俳句っぽいかも。