ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『タイガー理髪店心中』

2021-01-04 15:08:04 | 
 年末に打撲した足が痛くて、歩きにくいので、病院で診てもらう。結果、骨折はなく、腫れは日にち薬という。打った場所から内出血が散っていっているので、打ち身以外のところが痛いらしい。特に脛は、骨の上に皮なので、たまった血の逃げ場所が無く、皮が張った状態になって痛いらしい。こぶ(血腫)は、2.3か月たたないと消えないと言われる。血腫に菌が入った場合は、熱をもって痛いので、すぐ病院に行くようにと指示をうけた。痛くて足を引きずっているが、大したことがなくてホッとした。

『タイガー理髪店心中』 小暮夕紀子 朝日新聞出版
 幼い一人息子が亡くなった穴へ毎晩ただならぬ形相で通う妻とそれを追う夫。(第4回林芙美子文学賞受賞の表題作)子殺しを強要された満州からの引揚者の体験を引きずる夫婦。(「残暑のゆくえ」)老夫婦の日常に潜む秘密を描く。
 すごい!この作家はうまい!洗い終えたお茶碗がカチャリと音をたてたとか、青白い声とか何気ない日常の一コマの表現がすばらしい。静かな筆致で、丁寧に日常を積み重ね、奥深い話になっている。伏線もきれいに拾われ、薄い本でありながら、ただただこの話の重厚さに驚くばかり。私は、どうして この本が話題にならないのが不思議。芥川賞受賞の『おらおらでひとりいぐも』と比較されることが多いが、私は絶対『タイガー理髪店心中』を推す。
コメント
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