『科学歳時記』 寺田寅彦 KADOKAWA
初期から晩年まで、季節を主題にした随筆作品を歳時記風に掲載。生きる世界を俳諧に見出し、科学と融合させた独自の短文集。文学的随筆の代表作として著名な「団栗」「竜舌蘭」をはじめ、夏目家の文章会以前の「祭」「車」「窮理日記」「凩」等、全39篇を収録する。
季節と科学を融合したようなエッセイ。私はちょっと読みにくかった。私の頭では何回か読み直して、心が動きそう。
日本人の感じる「涼しさ」を論じた章にはスゴイと思った。暑さがなければ涼しさはない。言われてみればその通り。そこから、自由へと考察が広がるなんて!スゴイ。
「蓑虫と蜘蛛」「追憶の冬夜」が好き。
『かたばみ』 木内昇 KADOKAWA
太平洋戦争直前、故郷の岐阜から上京し、日本女子体育専門学校で槍投げ選手として活躍していた山岡悌子は、肩を壊したのをきっかけに引退し、国民学校の代用教員となった。西東京の小金井で教師生活を始めた悌子は、幼馴染みで早稲田大学野球部のエース神代清一と結婚するつもりでいたが、恋に破れ、下宿先の家族に見守られながら生徒と向き合っていく。やがて、女性の生き方もままならない戦後の混乱と高度成長期の中、よんどころない事情で家族を持った悌子の行く末は……。
かたばみ。かたばみの葉の形や花言葉が物語を表している。
読みながら、「そうはいかんやろ」「やっぱりな」「でも、よかった」の繰り返し。普通にいいホームドラマだった。
そして、さまざまな人物の言葉が深いこと、深いこと。「負けを経験すると人生に深みが出る」「時代によって『正しいこと』は変わっていきます」「親は神じゃないよ。人だからね」「普通って結構難しい。そもそもなにをもって普通っていうんだろうね」「挫折は忌み事と捉えがちですが、もしかすると『お前はそっちじゃないよ』という天からの差配かもしれない」etc 心に突き刺さる言葉がいっぱいだった。
初期から晩年まで、季節を主題にした随筆作品を歳時記風に掲載。生きる世界を俳諧に見出し、科学と融合させた独自の短文集。文学的随筆の代表作として著名な「団栗」「竜舌蘭」をはじめ、夏目家の文章会以前の「祭」「車」「窮理日記」「凩」等、全39篇を収録する。
季節と科学を融合したようなエッセイ。私はちょっと読みにくかった。私の頭では何回か読み直して、心が動きそう。
日本人の感じる「涼しさ」を論じた章にはスゴイと思った。暑さがなければ涼しさはない。言われてみればその通り。そこから、自由へと考察が広がるなんて!スゴイ。
「蓑虫と蜘蛛」「追憶の冬夜」が好き。
『かたばみ』 木内昇 KADOKAWA
太平洋戦争直前、故郷の岐阜から上京し、日本女子体育専門学校で槍投げ選手として活躍していた山岡悌子は、肩を壊したのをきっかけに引退し、国民学校の代用教員となった。西東京の小金井で教師生活を始めた悌子は、幼馴染みで早稲田大学野球部のエース神代清一と結婚するつもりでいたが、恋に破れ、下宿先の家族に見守られながら生徒と向き合っていく。やがて、女性の生き方もままならない戦後の混乱と高度成長期の中、よんどころない事情で家族を持った悌子の行く末は……。
かたばみ。かたばみの葉の形や花言葉が物語を表している。
読みながら、「そうはいかんやろ」「やっぱりな」「でも、よかった」の繰り返し。普通にいいホームドラマだった。
そして、さまざまな人物の言葉が深いこと、深いこと。「負けを経験すると人生に深みが出る」「時代によって『正しいこと』は変わっていきます」「親は神じゃないよ。人だからね」「普通って結構難しい。そもそもなにをもって普通っていうんだろうね」「挫折は忌み事と捉えがちですが、もしかすると『お前はそっちじゃないよ』という天からの差配かもしれない」etc 心に突き刺さる言葉がいっぱいだった。