天地がひっくり返るほどの出来事。

長い人生の中でこんなショッキングな事は無い。
今、自分が立っている足元がグラグラして
まるで流氷に上に立っているよう。
左右に離れていくのか、
その流氷が粉々に砕け散っていくのか、
予測不能な衝撃と不安。

居てもたってもいられず友達に会いに行った。
ショッキングな、この事を話した。
友達も私と同じくらい衝撃を受けると疑いもしてなかったが、、、

彼女は極めて落ち着いていた。
何ひとつ慌てることもなく薄々わかっていたらしい。
そしてそれに抗うことなく受け止めるつもりでいることを知った。

私は彼女の今まで何を知っていたんだろう？
こんな達観した生き方をしていたなんて。
彼女の深さの表面しか私は知らなかったのだ。
スゴイ人だとは思っていたが、もっともっとスゴイ人だった。

涙が溢れる私に彼女からの言葉は多くはなく、
ただ彼女が何か呟いてDVDを見せてくれた。
養老孟司さんが鎌倉の自宅で猫と暮らし、猫を看取った、
そんな日々の映像だった。

名前ぐらいしか知らなかった養老孟司さん、
人間について語るひと言ひと言、
深い言葉過ぎて号泣。

彼女は、自分で語る代わりにこの養老さんの映像を見せて
感じとってくれというメッセージを与えてくれたのだ。

養老孟司さん、あの映像の僅かな言葉だけで、
超越した方だとわかった。
これから暫くは養老孟司さんの本を読み潰そうと思った。

天と地がひっくり返るような衝撃の事実から、
いつ平穏な心を取り戻せるかわからないが、
その答えを見つけるべく養老孟司さんの本から
何かを見つけだしたい。