ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「七曲署捜査一係’82」―3

2025-03-11 16:40:59 | 刑事ドラマ'80年代

#508『ドックと天使』は、持ち込んだシナリオが採用されて『太陽にほえろ!』後期を支えるライターの1人となり、やがて『あぶない刑事』『ベイシティ刑事』『あいつがトラブル』など日本のアクションドラマに欠かせない存在にもなられる大川俊道さんの記念すべき脚本家デビュー作。





自由奔放な少女にヒーローたちが振り回される典型的“大川節”のアクションコメディーだけど、少女役の代ゆかりさんに「天使」と呼びたくなるほどの華を感じないのがまあ、いつも通りの『太陽にほえろ!』ではあります。











その替わりってワケじゃないでしょうが、普段より気合いの入ったカーチェイスと、スポーツ万能のドック(神田正輝)が水上スキーでヒロインのピンチに駆けつけるという見せ場が用意されてます。

しかしその水上スキーがいまいち見せ場として機能してない(と私は感じる)。なにせモーターボートに引っ張られて移動するだけで、実際にやればハードなのか知らないけど画的には迫力ありません。



ガンマニアとして知られる大川さんのことだから、本来はドックにM59を撃たせまくりたかったろうに、「この回に発砲は無用!」とばかりに師匠(小川英さん)の洗礼をさっそく受けられたのかも知れません。




ラガー(渡辺 徹)が愛用するのは世界で最も有名なリボルバーの1つ=コルト・パイソン357マグナムだけど、これもまた発砲する機会は滅多にありません。



#510『ラガーの大追跡』は、とある目的のために誘拐された人気アイドル歌手=立花茜(岩田法子)を救うべく、彼女のファンであるラガーが奔走するストーリー。

立花茜役には本物のアイドル歌手を起用するぐらいじゃないと説得力が無かろうに、『太陽にほえろ!』はわざと華のない人を選んでるとしか思えません。


演じた岩田法子さんは劇団ひまわりから抜擢された生粋の役者さん。“喉を手術したばかりで声が出せない”という設定、すなわち細やかな感情表現が必要だと生真面目な『太陽〜』制作陣は考えたんだろうけど、むしろセリフを言わなくていいならルックス最優先でええやん!って私なんかは思っちゃう。





しかし今回は、誘拐犯役の名優=西村晃さんがその穴を充分すぎるほど埋めて下さいました。オートマチック拳銃を構えるとまるで『007』シリーズの敵ボスみたいにキマる!






西村さん扮する誘拐犯は元軍人で、南部十四年式ピストルを大切に保管してたのに、経年劣化で不発に終わるというオチがつきます。MGCモデルガンのルガーP08を南部十四年式に見立てたプロップかと思いきや、ちゃんと南部してますね。(東京マルイかLSのプラモデル?)


山中湖ロケで富士山が綺麗に映っており、目前まで迫ってるカナダロケを彷彿させます。




ロッキー(木之元 亮)とジプシー(三田村邦彦)の珍しいツーショットも。






令子さん(長谷直美)と毎晩チョメチョメしてつくった双子の赤ちゃんがすくすく育ってるなか、生後10ヶ月の赤ちゃんが誘拐される事件が発生し、#511『爆発!ロッキー刑事』となります。







今回の誘拐犯役は『太陽〜』の…というより刑事ドラマの常連ゲスト、伊佐山ひろ子さん。哀しみを秘めた平凡な女の役がホントによく似合う女優さんです。








焼身心中という凄まじい最期を遂げようとする伊佐山さんを、レスキュー隊出身のロッキーが救おうとして窓から突入、うっかり爆発しちゃいます。




#512『婚約者の死』では、晴子さん(水沢アキ)との結婚を間近に控えるゴリさん(竜 雷太)が、本庁への栄転を間近に控えながら婚約者を殺され、復讐に走ろうとする後輩刑事(三ツ木清隆)の代わりに爆発します。










晴子さんのおっぱいに全神経を集中させるゴリさん。






「すみません、調子に乗りました。」




ボス(石原裕次郎)と西山署長(平田昭彦)が
、どう見ても格下にしか見えない本庁の偉いさん(『俺たちの勲章』で優作さん&雅俊さんのイヤミな上司を演じた早川保さん)から密命を受ける#513『真相は……?』。


つくづく二枚目なミスター東宝、平田昭彦さん。


その密命とは、敏腕として名高い捜査二課の高松警部(踊らない『大捜査線』で杉サマの頼れる上司を演じた山内明さん)から、その身に降りかかった殺人容疑の真相を24時間以内に聞き出すこと。

頑として口を割らない高松警部とボスによる心理戦と……



「時間が無いから」という大義名分のもと証人(勤め先は暴力団)に体罰を与えまくる藤堂チームの猛者たち。







ロケ撮影は難しい裕次郎さんの体調を逆手にとった、静と動のコントラストが光る一篇。真相は愛する一人娘(香野麻里)をレイプされた高松警部の殺人“未遂”で、もちろんボクサーあがりの真犯人は猛者たちのサンドバッグとなります。



裕次郎さんの出演場面が限定されるため、ボス編はおのずとチーム編になる。お陰で本ブログの「七曲署捜査一係」シリーズにピッタリな場面が満載です。








こうした何気ない場面でも、ボスと山さん(露口 茂)の“立ち姿”のカッコよさに惚れ惚れします。刑事ドラマは立ち姿と走る姿が全て!と言っても過言じゃない。つくづくそう思います。


コメント
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