
曽野綾子さん著による『夫の後始末』には、ディアコニア=真の意味での“奉仕”について記された章があります。
ギリシャ語で“ディア”は「……を通して」、“コニア”は「塵、あくた」という意味。それはすなわち「汚いものを通して」、もっと具体的に言えば「人間の排泄物を通して」ということ。
つまり真に奉仕と言えるのは「ウンコとおしっこの世話」だけであり、たとえば被災地の瓦礫を片づけに行ったりするボランティア等は提供する側の自己満足に過ぎないと。

思い返せば、母の紙パンツを交換するとき=漏らした排泄物を処理するときに、私はイヤな気分になるどころか嬉しかった記憶があります。
それは私がこの上ない変態だからではなく、本当の意味での恩返しができたと実感したからでしょう。
母本人はイヤだったに違いないけど、職場で身につけたスキルを家で発揮できたのも私は嬉しかった。
何も用事が無い休日が愛おしいって前回の記事に書いたけど、そうして自分の親に奉仕した日々も今となっては愛おしい。こればっかりはもう、二度と味わえないですからね。

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