ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『亜弥のDNA』2002

2019-05-08 00:00:17 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2002年の冬シーズン、テレビ東京系列のバラエティー番組『アイドルをさがせ!』内のドラマコーナーで全9話が放映された、1話につき7分前後のミニドラマ・シリーズです。制作はエスエスエム。

「刑事ドラマHISTORY」に加えるにはあまりに異色かも知れないけど、『太陽にほえろ!』の「DNA」を色濃く感じさせる素晴らしい作品であり、なおかつ私の感性とバッチリ合う素晴らしい作者、よほどのイケメンに違いない天才クリエイターの手による「幻の傑作」なので、皆さんに知って頂くべく取り上げる事にしました。

東京・山田警察署の捜査一係に勤務する田口刑事(三遊亭亜郎)&岩城刑事(久保和明)のドジな若手コンビがある日、いつものごとく犯人(ホリケン。)を取り逃がしそうになるんだけど、紅い革ジャンの美少女が突如現れ、一人であっという間に犯人を確保しちゃう。

そこに遅れて駆けつけた、田口&岩城の上司であるスゴ腕警部=松浦さゆり(三嶋幸恵)が、その光景を見て驚きます。

「亜弥! 何やってんの!?」

その美少女は、まだ中学生であるさゆりの一人娘=亜弥(松浦亜弥)なのでした。

それ以来、亜弥は捜査一係のボス=藤堂係長(上原袈裟俊)が認知症でボケてるのをいいことに、さゆりの制止を無視して捜査に首を突っ込み、時には拳銃もぶっ放し、次々と凶悪犯たちを挙げて行っちゃう。

その裏には、家庭をないがしろにしてでも捜査に打ち込む母を、それほどまで夢中にさせた刑事という仕事を理解したい、一人娘の切実な想いがあるのでした。

当時売り出し中だったハロープロジェクトの新人アイドル=松浦亜弥を主役にして何か撮れ、注文は役名を「松浦亜弥」そのまんまにする事だけ、あとは好きなようにやれ。

そんな大雑把なオーダーを受けた本作のイケメン監督(兼脚本・編集)さんは、即座に「太陽にほえろ!みたいな刑事物をテレビの連続ドラマとして創る」という幼い頃からの夢を、この機会に実現させようと思い立ったそうです。

『太陽~』マニアの方ならとっくにお気づきかと思いますが、藤堂、田口、岩城といった役名はボス、ボン、ロッキーそのまんまで、亜弥が捜査に首を突っ込む動機もマミー刑事のアレンジ設定。

また、岩城刑事が過去のトラウマによって抱える「拳銃恐怖症」を、亜弥が荒療治で克服させて去っていく最終回の展開も『太陽~』へのオマージュ。ていうかパクりw

もちろん、そんな分かる人にしか分からないパロディだけで(短編とはいえ)ドラマが成立する筈もなく、メインは松浦母娘の確執と和解のドラマ、意外にちゃんとしたアクション描写、『裸の銃を持つ男』シリーズのザッカー兄弟に影響されたナンセンスギャグの数々、そして何よりそれ以前に、当時まさにブレイク真っ最中だった「あやや」こと松浦亜弥さんの凄まじいアイドルオーラの魅力に尽きます。

グループではなく単体のアイドルであれだけ売れた人は「あやや」がたぶん史上最後で、この『亜弥のDNA』制作がスタートしたちょうどその頃に爆発的に売れ始め、お陰で撮影スケジュールが正味3日間しか確保できず、大変な苦労を強いられたイケメン監督はストレスで身長が縮んだそうです。

しかし、いくらイケメンでも無名の新人監督だった彼が、バラエティー番組の1コーナーとはいえ天下のアイドルを主役にドラマを撮らせてもらえるなんて有り得ないことで、あややのブレイクがあと数日早ければこの作品は生まれなかった事でしょう。

それで一生分の運を使い果たし、刑事ドラマを撮る夢まで実現させてしまった監督は、早くも燃え尽きたのか脚本家として数年活動したあとアッサリ東京を離れ、現在は北海道のムツゴロウ王国で動物の乳首をいじってるという噂です。

そんなことはどーでもよくて、松浦亜弥さんが最も可愛かった(と私は思う)時期のハツラツとした姿を捉えた本作は、それだけで一見の価値が充分にあります。実際、DVDはオリコンの週間ランキング(ただし音楽部門)で1位を獲るほど売れたらしく、お陰で中古市場じゃ1円で買えるほど大量に出回ってます。ほぼ送料だけで入手出来ますので、是非w

町中で全力疾走するあやや、44マグナムをぶっ放すあやや、金八先生のモノマネをするあやや等が見られるのもたぶん本作だけ。『ケータイ刑事』シリーズが登場するのはこの直後で、女学生が刑事になっちゃうドラマとしても先駆的。しかもあっちは高校生、こっちは中学生ですw

また、第1話で無自覚にスケバン刑事風のポーズを取り、犯人から「スケバン刑事も知らない子供じゃねえか!」って言われたあややが、数年後に映画『スケバン刑事/コードネーム麻宮サキ』で主役を張った事実にも感慨深いものがありますw

上記キャストのほか、田中美穂、高野カオル、小林優美、児山武志、中村哲也、山田広野etc…と、マイナーだけど味のある役者さんが揃っており、メジャー作品とは全く違う独自の世界観を持つ刑事ドラマ『亜弥のDNA』を、私は大いに支持します。
 

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6 コメント

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Unknown (強盗の後藤)
2019-05-08 04:28:18
この番組、じつはリアルタイムで観てましたよボクは…
yea!めっちゃアフターGW!(エアコンが爆発する)。
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Unknown (gonbe5515)
2019-05-08 08:32:59
私も支持します!
これは面白かった。

カワ○ベさん、相変わらずムツゴロウ王国で動物の乳首いじってるんですか?

そろそろ帰ってきたらいいのに。。。
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Unknown (harrison2018)
2019-05-08 09:07:34
>強盗の後藤さん
エアコンが爆発するとはLOVE涙色ですね! 私は当時まだ大阪に住んでたのでリアルタイムで視聴出来ませんでしたw

>gonbeさん
ご支持ありがとうございます! カワ○ベ監督も草葉の陰で乳首をつまみながら喜んでると思います。彼は乳首いじりがやめられず、まだまだ帰って来そうにありませんm(__)m
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Unknown (強盗の後藤(←笑))
2019-05-09 04:35:03
テレビ東京のローカル番組ですからね。でもこのドラマDVDもブルーレイも出てるですんね。印税とか入ってこないんですか?
あと、エアコンが爆発するのは「yay!めっちゃホリデー」のMVのはなしです(雑なVFXで爆発してますな)。
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Unknown (harrison2018)
2019-05-09 08:51:12
ブルーレイは出てない筈です。印税については、なにしろ制作がよしもと傘下のプロダクションなもので、監督には一銭も入りませんw プロデューサーに恐る恐る聞いたら一笑に附されたそうですw
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Unknown (強盗の後藤)
2019-05-10 00:26:58
そうでしたか…。テレビ業界のしくみとか今でもサッパリわからないですが、想像以上に酷い扱いなんですね。
最近ははるな愛がラジオ番組に出てくると亜弥のDNAとかchord name麻宮サキを思い出したりします。
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