2009年の冬シーズン、フジテレビ系列の火曜夜10時枠で全11話が放映された、新津きよみ原作、関西テレビ制作によるミステリードラマ。
大学病院の医師からインターポール(国際警察)の刑事に転職したというスーパーマン=郷田(江口洋介)が東京・大田西署の捜査課に自ら研修を志望し、着任したんだけど、なぜか彼はとっくに時効が成立した25年前の少女誘拐殺人事件をこっそり調べてる。
不審に思った同僚の黒木刑事(稲垣吾郎)が郷田の過去を調べてみると、なんと彼は殺された少女と同郷、しかも小学校で同じクラスの生徒だったから驚いた! そのうえ死んだ筈の少女の名前=葛城サチエを名乗る女(広末涼子)が現れたからワケが分からない!
郷田はなぜ今さら時効が成立した事件を調べるのか? そして真犯人は誰なのか? このサチエは本当にあのサチエなのか? SMAPの解散は本当に工藤静香の陰謀なのか? 乳首は? 足の裏は?
大田西署のベテラン刑事に小日向文世、黒木の父親である本庁の刑事部長に北大路欣也、郷田と二人暮らしの妹に相武紗季、サチエの両親に大杉 漣・風吹ジュン、そして郷田の怪しすぎる同級生たちに堺 雅人・谷原章介・佐々木蔵之介、といったレギュラーキャスト陣。
謎が謎を呼ぶストーリー、繰り返されるどんでん返し、思わせぶりな台詞の数々、悲劇的な展開、そしてイケメンたち……何もかもが女性視聴者を食いつかせる為にセッティングされた究極のゲームであり、それを延々と三ヶ月も見せられるなんて私にとっちゃ拷問でしかないんだけどw、いちおう刑事が主人公だし、それを演じるのが『太陽にほえろ!』の後番組でTVデビューされた江口洋介さんだし、またこの後の連ドラ界を背負っていく俳優さんたちがズラリと顔を揃えた作品でもあるので、時代の記録として刻んでおく事にしました。
2002年の話題作=木村拓哉&明石家さんま主演の『空から降る1億の星』とよく似た路線で、キャスティングもロケーションも豪華だし映像も音楽もスタイリッシュ。「なんとしてでもヒットさせたる!」っていう創り手たちの気合いがビンビンに伝わって来ます。
とにかく「当てること」のみに全力を尽くしたであろう作品で、視聴率は常時二桁をキープ、最終回は15.5%をマークとまずまずの成績を上げたけど、局からすれば物足りない数字だった事でしょう。
私としてはやっぱり、同じキャストで痛快アクション路線の明るい刑事ドラマが観たかった。だけどそれじゃ女性が食いつかない、数字が稼げないワケです。
数字さえ稼げれば、パクリと言われようがワンパターンと言われようが構わない。もはや創り手にはプライドも志もない、そんなことを気にする余裕もない。そういう時代になっちゃったんです。
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