ゴリさん(竜 雷太)の恋人=小林道代(武原英子)が初登場します。
と同時に、刑事・ゴリさんのアイデンティティをまたもや大きく揺さぶるエピソードでもあり、制作陣のゴリさん愛がイヤというほど伝わって来ますw
ほんとゴリさんって、美味しいキャラですよね。ボン=宮内 淳さんがやたら「ゴリさんばっかりズルい!」って、愚痴られてた気持ちがよ~く解りますw
☆第122話『信念に賭けろ!』
(1974.11.15.OA/脚本=長野 洋/監督=竹林 進)
今回、チャコ(浅野ゆう子)の出番は序盤の1シーンだけ。タメ口でゴリさんを冷やかし、一係メンバーで恋人にするなら誰?と聞かれてボス(石原裕次郎)を指名し、馴れ馴れしく腕を組んだりする姿を見てると、確かにちょっとイラっと来ますねw
タメ口は前任者の久美(青木英美)も同じなんだけど、庶民的、下町的な愛嬌があった青木さんと違って、すこぶる都会的でトレンディーな浅野さんがやると、お高くとまってるように感じちゃう。
しかもまだ中学生の年齢ですから、一般の女性視聴者に嫌われるのも無理からぬこと、だったかも知れません。
さて、ゴリさんが道代と待ち合わせした喫茶店の近くで、派出所の巡査が拳銃を奪われる事件が発生。ゴリさんが犯人を追跡するも逃げられてしまう。
七曲署の署長=西山警視(平田昭彦)は、ゴリさんがいつも拳銃に弾丸を入れてない事を、犯人を取り逃がした理由として問題視します。
同僚の殿下(小野寺 昭)からも「ゴリさんの拳銃に弾が入ってない事を知ったら、道代さんはどう思うでしょうね?」と、やんわり批判されちゃうゴリさん。
その上、拳銃を奪われる際に弾丸を浴びた巡査が、一命は取り留めたものの半身不随となり、恋人を泣かせてる光景を見せつけられるゴリさん。
不用意に犯人の生命を奪わない為に、絶対必要な時以外は拳銃に弾丸をこめない。そんなゴリさんのポリシーが、自分の身を案じてくれる恋人の出現によって、大きく揺らぎます。
しかも、道代が犯人の姿を目撃しちゃってるもんだから、生命を狙われる危険性もはらんでる。いよいよゴリさんは、弾倉に1発の弾丸を装填します。
果たして、道代が人質にされ、ゴリさんは犯人に拳銃を奪われちゃうんだけど、動じずに向かって行きます。
「信じて下さい。俺が必ず、あなたを守ります」
「信じます。あなたを信じます!」
2人の心の声が交差する、感動のクライマックス。犯人は道代の頭に向けた拳銃の引金を引くんだけど、入ってた筈の弾丸が入ってない!
当然ながら、怒りのゴリパンチを180発ほど浴びた犯人は、めでたく廃人となるのでしたw
これより前に、弾丸をこめない理由を「俺は頭に血が上りやすいから(犯人を殺してしまうかも)」と言うゴリさんに、山さん(露口 茂)が「お前さんは冷静に状況判断が出来る男だよ」って、人差し指を立てながら言うシーンがありました。
それが伏線だったんですね。犯人が巡査から奪った拳銃の残弾数や、向こう見ずなテキサス(勝野 洋)が一緒にいる状況を見て、とっさにゴリさんは拳銃から弾丸を抜いていた。こうなる可能性を冷静に予測したワケです。
結果的に、信念を貫いたゴリさんの全面勝利。どうですか、格好良すぎじゃないですか? ゴリさんばっかりズルい!って、そりゃ言いたくなりますよねw
もちろん、そんなゴリさんに道代はメロメロで、やがて婚約を交わすワケですが、七曲署の刑事に幸せな結婚は、ごく一部の例外を除いて有り得ないのです。
互いに敬語で会話するゴリさん&道代は、本当にお似合いで理想的カップルなんだけど、道代の叔父(小林昭二)が犯罪に関わってしまい、切ない別離を迎えることになります。(第200話)
道代役の武原英子さんは、当時28歳。’67年のNHKドラマ『素顔の青春』でデビュー後、幾多のTVドラマや映画、舞台で活躍された女優さんです。
酒井和歌子さんや竹下景子さんの系譜に入る、いかにも『太陽』らしい……ていうか岡田P好みのw、清楚かつ知的な女優さんで、私も大好きでした。我々世代としては『おれは男だ!』の藤宮先生役も印象深いです。
’80年に錦野 旦さんと結婚するも、’96年に乳癌で他界。50歳という若さでした。合掌。
やはり今見てもかっこいいし人情もあるキャラですよね。武原さんもいい女優さんでしたが早逝して寂しい気がしました。
ゴリさんのテーマが好きでよく聞いてます。
いつも元気をもらえますね。