ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「カスハラ野郎をぶっ飛ばせ!」

2023-12-13 21:00:33 | 日記

どんな仕事をしていても、横柄で陰湿で理不尽な客による「カスタマーハラスメント」とまったく無縁でいられるのは不可能だろうと思います。前職でも幾度となく遭ったし、今の職場(介護施設)でも先日、ついにやられてしまいました。

介護職に限らず、情報漏洩には細心の注意が要るご時世ゆえ、細部まで具体的には書かないけど……



食堂で、私がある作業を1人でしてる時に、大柄な男性利用者(足は不自由だけど認知症ではない)が車椅子でやって来て、どう考えても理不尽な要求をして来たので、やんわりと断ったら烈火のごとく怒りだし、しまいにはこちらの人格否定までして来たもんで私もカッとなって大声で怒鳴り返し、それで向こうは殴りかかろうとして来たけど車椅子で殴れるワケもなく、睨み合いになって最終的には私が「ハイハイ、すいませんでした」と口先だけ謝って、向こうは捨て台詞を残して去って行きました。もちろん、理不尽な要求は最後まで呑んでません。



そんな事があってメッチャ腹が立ちましたよと、何人かの同僚に報告、というより愚痴をこぼしたら、これは「カスタマーハラスメント」に該当するかも知れないから記録に残すと言われ、リーダーに事情聴取されたり、件の男性利用者にもイエローカード的な物言いがついたりと、想定外に大袈裟なことになっちゃいました。



が、結果的には良かったです。お陰で、私はその男性利用者との接触を、今後は堂々と避けることが出来るようになりましたから。

その利用者は(あくまで私感だけど)相手を選んでイビったりする陰湿な性格で、新米で小柄でいかにも気が弱そうな私は格好のターゲットであり、あのとき要求に応じてたらずっと召使いかパシリ扱いされてた筈。

たとえ施設の利用者と職員、お店で言えば客と従業員であっても、お互い神様でもなけりゃ奴隷でもない、対等な人間どうしなんだから、一方的に屈伏させるなんてこと絶対に許しちゃいけない。

だからもし、施設の職員たちが私の味方になってくれず、その男性利用者に謝罪しろとか言って来たら、私は即座に辞めるつもりでした。



嬉しかったのは、ほかの職員が誰もいない時にそのトラブルは起こった(恐らく男性利用者はそこを狙った)から証明のしようが無いのに、私の告発(最初はただの愚痴だったけど)を皆が信じてくれたこと。

一時期、勝手に疎外感を感じて落ち込んだりしたけど、ちゃんと仲間として受け入れてくれてるんだと、まさに怪我の功名で実感する結果となりました。

利用者と怒鳴り合っちゃうんだから、介護職にはつくづく向いてないんだろうけど、職場には恵まれてホントに良かったです。



カスタマーハラスメントと言えば、先日レビューした『男たちの旅路』第2部初回の翌週に放映された、セカンドエピソード。主人公たちが警備してたロックバンド(ゴダイゴ)のライブ会場で、殺到したファンたちが将棋倒しになる事故が起きてしまう。

それで怪我した女の子(竹井みどり)を吉岡司令補(鶴田浩二)が自宅まで送って行ったら、大した怪我でもないのに横柄な父親(滝田裕介)が一方的にねちっこく、延々と「責任を取れ」っていうフレーズを繰り返すワケです。

普通なら、じっと我慢の子で「申し訳ございませんでした」を繰り返し、とにかく波風を立てないようにするのが日本の企業だけど、我らが吉岡司令補は違った。なにせ戦後は「余生」だと思ってる人だからクビなんかちっとも恐れてない。さて、彼はカスハラ親父に何と答えたか?



「あなたは、娘さんを叱りましたか?」

これはレビュー記事じゃないのでおぼろげな記憶だけで書きますが、想定外の口答えにうろたえるカスハラ親父に、司令補はこう畳み掛けるんです。

「事故を防げなかった責任は我々にあるが、我々の制止を無視した娘さんにも責任がある。そして娘さんを甘やかしてそんな風に育てたあんたにも責任はある!」

で、そんな父親に愛想を尽かした娘が家出して、今度は「娘を探してください!」と泣きついて来たカスハラ親父に、司令補はこう尋ねます。

「娘さんが戻って来たら、あんたはどうするつもりなんだ?」

「はあ、どうすればいいのか……」

「どうすればいいかを聞いてるんじゃない、あんたがどうしたいかと聞いているんだ! 叱りつけたいのか? 抱きしめたいのか?」

「いや、それは……」

「上から一方的に責め立てたかと思えば今度は媚びへつらう。いい歳をして、あんたには軸というものが無いのか? そんなに自信が持てないのか?」



現実社会で生きる我々には、カスタマーに対してなかなかこうは言えません。だからこそ本音を代弁し、溜飲を下げさせてくれるのがドラマの役目。

いやしかし、いい歳をして軸というものが無い……グサッと来ます。このブログにはエロ&バイオレンスという確固たる軸がありますが。



家族を養うためにプライドを捨て、客に対して頭を下げ続けるお父さんこそ一番カッコいい!なんて風潮にも一理はあると思うけど、私には無理です。理不尽な要求や命令には命懸けで抵抗していきます。だから自分にはちゃんと軸がある、と思いたいですね。


 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「ポリスリボルバー2023」 | トップ | 「真っ当に生きるだけでいい」 »

コメントを投稿