☆第4話『傷ついた野獣』
(1980.1.31.OA/脚本=白井更生/監督=江崎実生)
冒頭で、いきなり主役の加納主任(杉 良太郎)が撃たれて重傷を負い、入院しちゃいます。
てっきり、出ずっぱりの杉サマを休ませ、たまには沢木刑事(神田正輝)の活躍も描いてあげる為の展開かと思いきや、さにあらず。入院してもなお、あくまで杉サマの一人舞台なんですよねw
暴力団抗争で敵幹部を射殺したヤクザ達を追跡中に、加納は右腕と胸を撃たれちゃったワケだけど、杉サマともあろう人が何故、そんなヘマをやらかしたのか?
実はその時、ヤクザ達は通りすがりの少女を人質にとり、手が出せなくなった加納に容赦なく銃弾を浴びせたワケです。
警察の捜査がその少女に及べば、ヤクザ達が口封じの為に生命を狙うかも知れない。それで加納は、あくまで「自分のヘマだった」と主張し、少女が人質にとられた事実は闇に葬ろうとしてる。
ところが、ヤクザ達に捜査員がまた射殺され、彼らを取り逃がした加納の責任が問われる事態に。
都築刑事(本阿弥周子)は、お慕い申し上げる加納主任を助けたい一心で聞き込みを重ね、ついに人質にされた少女の存在を突き止めるのですが……
「都築。何があろうと、小さな子供は犯罪とは関係ないんだ。子供を犯罪の場に引きずり出しちゃいけないんだ」
そう言って都築に釘を刺しつつ、加納は万が一の事態に備えることも忘れません。病室ベッドの下に隠しておいた愛銃コルト・パイソン6インチを取り出しw、左手で操作する特訓を重ねます。
案の定、少女がヤクザ達に拉致されるや、加納はまだ傷口も塞がらない身体で病院を飛び出し、少女が監禁されてるらしい山荘に駆けつけ、上司(山内 明)の制止も聞かずに飛び込んじゃう。
敵は約10人。満身創痍で利き腕が使えず、しかも6発しか撃てないパイソンで、果たして加納に勝ち目があるのか?
あるんだから仕方がないw なにしろ杉サマなんです。あいつの名はポリスマンなのです。
確実に1発ずつヤクザどもに銃弾をぶち込んで行くも、6人倒した時点で弾切れですから、また新たに弾丸を装填しないといけません。
「片手で装填が出来るのか?」
そんなこと出来るワケがない、とタカをくくったのが命取り。パイソンを脚に挟み、左手でスピードローダーを駆使し、あっという間に弾丸の装填を終えた加納に、ヤクザどもはあっけなく皆殺しにされちゃうのでした。
徹頭徹尾、杉サマの一人舞台w 警官隊が山荘を包囲していたにも関わらず、10人の敵を加納が1人で片付けちゃいました。
でも、それが出来るのは加納しかいなかった。縁もゆかりも無い1人の少女に、自らの生命を捧げる覚悟があるからこそ出来た事なんです。
瀕死の状態で救急搬送されて行く加納を見送りながら、結局なにもしてない上司がw、都築に呟きます。
「利き腕じゃない方の片手で、シリンダーの開閉、弾丸の装填をやるんだ。驚いたよ」
「主任も、自信は無かったと思います」
「じゃあ、死を覚悟していたのか?」
そんな2人の会話を理解してるのかどうか、少女は何も言わずに涙を流します。そこで主題歌『君は人のために死ねるか』ですよ。私は泣きましたw
自分の身内とか偉い人にじゃなくて、縁もゆかりも無い一般市民のために生命を賭ける、あいつの名はポリスマン! この作品自体のテーマが「君は人のために死ねるか」なんですよね。
初回レビューで「時代劇アプローチ」って書きましたけど、それより「西部劇」のスピリットを感じます。まぁ、西部劇も日本の時代劇の影響を受けてるワケだけど。
このドラマ、毎回とても見応えがあります。杉サマしか活躍しないけどw、マツケンさんの『走れ!熱血刑事』より遥かに面白い。
だけど、神田正輝さんは『太陽にほえろ!』に寝返って大正解でしたw この番組に出続けても永遠に杉サマの引き立て役ですから、誰よりも石原裕次郎さんが「このままじゃダメになる」って思われたんじゃないでしょうか?
それくらい徹底して杉サマの一人舞台なのに、そんじょそこらの集団刑事ドラマより面白いワケですから、やっぱ杉良太郎って人は凄い。本物のスターなんだと思います。
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