ナーランダ・チューリップ王子仏教学院(1)
........先生: みなさん、みなさんはブッダが菩提樹の木の下で何を覚った
..................... のだと思いますか?
ある生徒: 十二因縁だと言われています.
........先生: そう、確かにそういわれています.でも本当でしょうか?
......................鉛筆も紙もなかった時代に、そんなにたくさんのことが頭の中
.....................で整理できるでしょうか?
.別の生徒: つまり、もっと単純なものを覚ったということですか?
..........先生: そう、その通り.きっと簡単な因果律だったと思います.
.生徒たち: そんなもの、誰だってわかっているさ.それのどこが
........................覚りなんだよ.
..........先生: それはね、おそらく、深い瞑想によって、過去世を見たんだと
.......................思うのです.前世を見、さらにその前世を見たのですよ、きっと.
.......................そしてそこに、連綿とつづく、原因と結果を見た、ということ
.......................じゃないかなって思うのです.
.生徒たち: ふーん、でも一般には、覚りを得たから過去世が見えたって
........................言われているじゃない.
..........先生: そう、そこが逆転して伝わっているんだと思う.
.......................ブッダは、深い瞑想によって、心のもっとも奥にあるといわれている
.......................アラヤ識という意識にまで到達した.この意識だけは死後も消えないで
.......................記憶を残しているといわれているんだ.
生徒たち: それが本当だとしたら、あんがい、本当に原因と結果はつながっている
.......................かもしれないね.
.........先生: そうなんだよ.私たちの短い一生の中だけで見れば、ずいぶん不公平
......................があるけれど、あの人生、この人生って見ていくと、悪業を重ねた代官様
......................に生まれたあとに、親方に虐げられる丁稚になったりして、その親方は
......................自分が代官だったときに、村の民からこっぴどく年貢米を取り立てていた
......................とかね.
生徒たち: つまり、いろいろな人生があれば、因果律の説明がしやすくなるって
.......................ことだね.
.........先生: そうだよ、君、そういうことだ.
キンコンカンコン
.......先生: きょうの授業はこれでおしまい.ほな、さいなら.
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