１９５２番：ナーランダ・チューリップ王子仏教学院（２）

ナーランダ・チューリップ王子仏教学院（２）


......先生：　みなさん、前回はブッダが菩提樹の木の下で覚ったものは
...................過去世から連綿と続く因果律だったかもしれないというお
...................話をしましたが、今回は、仮にそれが本当だとしたら
...................どうなるかについてお話しましょう．

生徒たち： どうなるの？

.......先生：..そう、例えばね.電車の中で、誰かに足を踏まれたとします．
...................普通は、踏んづけた人がすぐに気づいて、謝ってくれます．
...................「あ、すみません」．そしたら、踏まれた人も、まあ許すでしょう．
...................「どういたしまして」．これで終わりになるなら、普通の光景です
...................が、踏んづけた方の人が謝りもせずに、無視しつづけるとしたら、
...................どうでしょう？心穏やかではありませんよね．

生徒たち：　そりゃそうだ．ぼくなら言ってやるよ、「おい、謝れ！」ってね．

.......先生： さて、そこでだ．「三世を貫く因果律」によれば、別に謝って
...................もらわなくても許すことができるんだ．

生徒たち：　ええ？どうしてなの？

.......先生：　つまりさ、その足を踏んづけたやつは、前世で、逆に君が
....................その人の足を踏んづけておいて、君は謝らずに去っていったんだ．
....................その原因によって、今生、君がその人に足を踏まれて、謝って
....................もらえずにそのまま行ってしまったと考えるのです．

生徒たち：　ええ？そんな、無理だよ．頭にきて、「ばかやろう」と怒鳴って
...................しまうよ．

.......先生：　まあ普通はそうだろうね．でも素直に前世があることを信じて、
....................心穏やかに、「ああ、これで私の前世の罪がひとつ消えた」、と
....................よろこぶことができたら、それはブッダの覚りの境地を君も体験
....................できたということなんだけどね、きっと．

生徒たち：　うーん、前世の原因と今生の結果か！長いスパンだな．

......先生：　そうだ、長いスパンなんだ．

生徒たち：　よし、わかった．前世において、ぼくが学校の先生をしていた
...................とき、ぼくは生徒たちに、いつもたくさん宿題を与えていたので
...................今、そのときの生徒が先生に生まれ変わって、僕たちに、こっぴどく
...................宿題を課す、というわけだな．

......先生：　おいおい、先生はそんなたくさん宿題を言わないだろう？
..................単語を予習してきなさい、といっているだけですよ．

　　　　キンコンカンコン

　　　授業終了です．またね！バイバイ！