仏教日記(2)無常にしがみつくな
前回は、欲望を断ちきる、という紛らわしい表現を
してしまいましたが、正しくは、欲望そのものでは
なく、享受側の態度です.それを叶えたときに、陶
酔してしまうなら、その欲望は出離の邪魔になるの
で断ちましょうということです.
また、その欲望にしがみついてしまうことも、出離の
妨げになります.欲望の対象は大抵は「無常」です.
そういうものにしがみついて死ぬと、どうなるか?
たとえば、オホーツク海から流氷に乗って南鳥島まで
行こうとするようなものです.途中で消えてなくなり
ます.「お金」「妻子」「地位」などは「無常」であ
りますから、あなたが死んだときに持って行けません.
つまり、消えてなくなります.消えていないかもしれ
ないが、あなた自身が死んだら、消えたも同然.
ここをもって、「遅かれ早かれ、消えてなくなる」
ものだと言っておきます.むなしいモノなのです.
じゃ、消えないもので、死後にも持って行けるものは?
一般に言われているのが「徳」と「罪」です.
「功徳」と「罪障」です.これらは、要らないと言っても、
影の如くついてまわります.それから、もうひとつ
オプションで持って行けるものがあります.
オプション
「原因かあるから結果がある」というブッダが菩提樹下で覚った
とされる教え.これはお持ち帰り下さい.この世のおみやげです.
努力しているのに結果が出ない.と嘆くかたもいらっしゃいますが、
それはね、前世で怠けていたのに、いい目をしていた報いが現れて
いるのです.そのかわり、この努力はきっと来世で報われます.
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます