Émile Zola
—Nana—
ナナ(28)
—————————【28】————————————————
La Faloise rougit légèrement. Il ne
comprenait plus. Il balbutia:
« Pour rien au monde, je n'aurais man-
qué la première de ce soir. Je savais
que votre théâtre ...
——Dites mon bordel », interrompit de
nouveau Bordenave, avec le froid entête-
ment d'un homme convaincu.
..——————————(訳)————————————————
エクトルは、やや赤面した.もはや相手の言う
ことが理解できず、口ごもりながら言った.
「この初日公演だけは何が何でも見逃せないで
すからね.あなたの劇場が...」
「淫売宿でいいんだよ.」、今一度ボルドナヴが
遮って言った.確信に満ちた男の冷ややかな頑固
さが込められていた.
..—————————⦅語句⦆———————————————
La Faloise:エクトル・ド・ラ・ファロワーズの
ことですが、「エクトル」、「ファロワーズ」、
「ラ・ファロワーズ」というふうに、小説で
は同じ語を繰り返さず、とっかえひっかえす
る傾向があるようです.この学習では「エク
トル」で終始一貫しましょう.
balbutia:(直単過/3単) < balbutier [バルビュシエ]
balbutier:(自) 口ごもる;
(他) 口ごもりながら言う
au monde:【tout, rien, seul, premier など最上級、
唯一性、序列を示す語を強調】
Je donnerais tout au monde pour qu'elle m'aime. /
彼女が好きになってくれるのなら、何もかも
投げ出してもいい.
pour rien:manqué と呼応する否定辞で「何が何でも
欠かせない」さらにau monde で強調されて
いる.
bordel:(m)[俗] 売春宿、淫売屋
interrompit:(直単過/3単) < interrompre (他)
interrompre:(他) ~を中断する;
interrompre qn / 人の話を遮る
de nouveau:新たに、もう一度、
froid, e:(形) ❶冷たい、❷冷淡な、冷ややかな
entêtement:[アンテットマン](m) 頑固さ、強情さ
convaincu, e:(形) 確信にみちた、
確信を抱いた; < convaincre (他)
convaincre:(他) 説得する、納得させる
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