HASSY局長のハサカル日誌

伊勢志摩バリアフリーツアーセンター事務局長HASSYが
日々のハサカル(気になる)出来事など記録していきます。

安楽島(あらしま)海水浴場がバリアフリーに(写真はあとで)

2010-07-18 22:05:46 | 伊勢志摩観光情報
夏の話をしましょう。
鳥羽市唯一の市営海水浴場「安楽島海水浴場」。
この名前を聞いてピンときた方も見えるかもしれません。
そう、昨年海のバリフリーでランディーズとクリアカヤックで遊んだあそこです。
あの時は、管理棟はかなり年期のはいったもので、バリアフリーイベントをするにも、いろいろ手配やら準備が必要なところでありました。

その安楽島海水浴場が、今年から生まれ変わりました。
バリアフリー海水浴場になったのです。

傾斜で砂浜に降りれるのは、前からでしたが、管理棟がすっかり建て替えられて、車いす対応トイレが設置されたのです。
しかもバリアフリーツアーセンターアドバイスにより車いす対応トイレには、介助用のベッド付です。
大人でもおむつ交換できるベッドですね。

最初のアドバイスは、更衣室男女ともに車椅子利用者が着替えられるようにベンチを置けるスペースが欲しいとお願いしていましたが、建物のスペース(形)が限られていて、それは難しいとなりました。
だったら、せめてトイレでも着替えられるようにおむつ交換用のベッドを設置して欲しいとお願いしてあったのです。

最初はトイレで着替えはやっぱり嫌かな?と思いましたが、車いす対応トイレは思ったより、広くて、トイレで着替えているというような圧迫感がなく、気になりません。
これなら異性の介助で着替えもできますもんね。

管理棟オープンのレセプションは6月30日に行われました。
海開きはもう始まっています。

ランディーズとヒッポキャンプの貸出もツアーセンターで行われております。
今年の夏は、みんなで海水浴を楽しみに、ぜひ伊勢志摩へ来てくださーい。

<お知らせ>
7月25日(日)
聴覚、視覚障害者のための日本語字幕&音声ガイド付映画上映
映画/「春との旅」(邦画)
場所/進富座(伊勢市)
時間/13:00~15:20

伊勢の進富座にて、「春との旅」(邦画)視覚、聴覚障がい者のためのバリアフリー映画上映お知らせ

2010-07-17 14:50:40 | イベント
このたび、7月25日(日)13:00~15:20、伊勢の映画館「進富座」(しんとみざ)にて、視覚障害者、聴覚障害者の方たちにも映画鑑賞してもらえるようにと、日本語字幕と音声ガイドつきの映画が上映されます。

映画は「春との旅」

仲代達矢主演の5月22日から全国ロードショーの邦画です。
北海道の老漁師が老いた身の受け入れ先を求めて、孫娘とともに東北、宮城など疎遠になっていた姉兄弟たちを訪ね歩く旅に出る話。
今、話題の香川照之も出ています。
私もちょっと注目していた映画です。


聴覚障害者の友人から聞いたことあります。
洋画は日本語字幕がつくので鑑賞できるけれど、邦画には字幕が付かないので、見たくても見れないと。
日本語だからあえて字幕がつかない…。

そして視覚障害者の友人も言います。
シーンボイスというサービスがあるけれど、この辺りではしていない。
名古屋や大阪まで出て行って、しかもイベント的にしかしていないので、なかなかめぐり合えないと…。

また双方とも、昔の作品はちょこちょこそのようなサービスがついたDVDがあるようですが、映画館で新作となるとなかなかないようです。

今回の進富座さんの企画、一日の1回限りの上映ですが、とてもうれしいですよね。

それにね。
この日本語字幕と音声ガイドって情報源が干渉しあわないところがまたすごいと思うの。
視覚障害者への音声ガイドは、音だから一緒に見ている聴覚障害者には問題ない。
そして聴覚障害者への字幕スーパーは、一緒に見ている視覚障害者には見えていないので、映像において干渉されることは有りません。
要するに、お互い集中して映画を見ることができるのです。

なお、このとき、ご来場のお客様全員に、視覚障害者のための音声ガイドが聞こえ、聴覚障害者のための日本語字幕が映し出されますので、耳も聞こえて目も見える人にとっては、いろんなところから情報がはいってくるので、ややこしくなる可能性はあるかな?
でも、聴覚障害者、視覚障害者がどのようにしたら映画鑑賞ができるのかの、良い勉強にもなると思いますよ。
行って見たい。

ちなみに「春との旅」では、全国的にこのバリアフリー上映が行われているようです。
詳細こちら↓
http://haru-tabi.com/bf_info.html

中部・北陸地方はなんと、進富座さん一箇所だけ。
北海道・東北で2箇所、関東・甲信越で3箇所。
全国で6箇所のみの上映のなか、ここ伊勢でおこなわれるなんて!嬉しい限りです。

これからもいろんなジャンルの映画が、こうして皆が楽しめるようになるといいですよね。
進富座さんありがとうございます。

進富座さんのホームページはこちら↓
http://www.h5.dion.ne.jp/~shintomi/index.htm

春との旅のホームページはこちら↓
http://movie.haru-tabi.com/index.html

「観光とバリフリー」の授業のゲストに盲導犬使用者(写真UPしました)

2010-07-11 14:16:21 | 講演・視察
鳥羽高校の「観光とバリフリー」授業のなかにはゲストを招く機会が何度かあります。
6月23日(水)のお話ですが、この日は盲導犬使用者の木村さん(視覚障害者)に来ていただきました。

鳥羽高校の授業を引き受けてから毎年来ていただいております。
いつもありがとうございます。



まず、一限目は木村さんの経験上のお話です。
実は、この日来て頂くちょっと前まで木村さんはオーストラリアに旅行に行っていたのですよ。
そんな旅行記もおりまぜながらのお話でした。
毎年私は聞いておりますが、毎回勉強になります。

今回、とても心に残ったのは、目が見えなくなった今は不安や怖さないけれど、徐々に見えなくなっていくその過程が一番不安で、怖かったと…。
だから、見えないのに見えているそぶりをしたり…、心の葛藤があったようです。
その気持ち、確かにとても不安で仕方なかったと思います。
朝起きたときの見え方とか、眠るときも不安だったんでしょう。

そんなことを乗り越えながら、現在2頭目の盲導犬である「テンダー」をパートナーに、どんどん外に出歩く木村さん。
とっても元気です。
きっと私より運動に遊びに勉強に励んでいるんじゃないかな?



さて、盲導犬のお話にも毎回生徒たちがどよめくのが、盲導犬の仕事のなかで
「使用者の命令をきかないことも大事」
ということです。

ええ?盲導犬が使用者の言うことを聞かない?それってダメなんじゃ?って思うと思いますが、補助犬の一番の仕事は、使用者の命を守ること。

例えば、道路を渡ろうとしているときに使用者が「GO」と言っても、車などが来ていて危ないときは補助犬が判断して、使用者の命令に従わないのです。
何度「GO」と言ってもピクリとも動きません。
使用者の進む前に立ちはだかって、進まないようにします。
ようするに、使用者が判断を誤った場合もフォローするのが補助犬でもあるのです。特に盲導犬は視覚障害者の「目」の代わりですから。

もし、なにもかも使用者の言うとおりに動いて事故してしまった場合、補助犬が喋れたなら
「だって、ご主人様が行けって言ったんだもんね~、ボクのせいじゃないもんね~」
とでも言いそうです。

ああ、そういえば、世の中にもそんな責任転嫁する人もいますね。

それでは、盲導犬の意味がないですよね。



そして、その話の中には、もうひとつ重要なことが含まれています。
それは
補助犬と使用者との信頼関係が成り立っていてこそのことなんです。

もし、使用者が「GO」と言って、補助犬が動かなかったとき、信頼関係がなかったら、なんで動かないんだ?とムリヤリ使用者は動いてしまうかもしれません。
ようするに補助犬を信用していない。
(補助犬使用者にはそのような人はいないと思いますが…)



使用者と補助犬の信頼関係は、昨日今日できたわけでなく、長年愛情をもって接してきたらからこそなんですけどね。
でも、言葉でコミュケーション取れる人間同士でさえ、介助してもらったりするときの信頼度ってものは、なかなか築けないものなんですよね。

そうそう、生徒の中で障害者と接したことない子たちが、この授業が始まった当初

「目が見えなかったり、車いすだったり、何もできないのに、何が楽しくて生きているの?」

という疑問をぶつけられました。(小学生みたいだ)

ストレートです。(笑)

でも、障害者と接したことない子には、これが一番の疑問なのです。

そのときは、そのうちゲストに当事者たちを招くから、よーく話を聞いてみて。とあまり私から詳しく言いませんでした。
私が言っても、説得力ないですからね。

この木村さんの授業、その一週前の溝口君の授業のときの多く見られた生徒たちの感想が

「目が見えなくても、木村さんがとても楽しんでいることがよくわかった」
「障害があるから、楽しくないのではない、その中の出来ることで楽しんでいることがよく分かりました」

やっぱり、当事者の楽しそうな姿を見せるのが一番なんだと思いました。

生徒たちには、障害者ってやっぱり苦労しているんだ、大変なんだ、怖いな、なりたくないな、などという気持ちにさせるのではなく、なんだか自分たちより楽しんでいるやん、一緒に何かしたいな…なんて思える気持ちになる子が一人でも増えるといいな。

リアルな苦労話はその後だったら、すんなり入りそうだしね。


介護食(ペースト食)の勉強

2010-07-08 21:37:08 | 食事処
6月22日(火)のお話です。
このところ、センターの問合せには、実に多岐にわたるご要望が多くなってきています。
センターを始めた当初には考えもしなかったような、重度な障害者の旅行も多く、私たちなりに、精一杯旅行成功を目標にアドバイスさせていただいております。
しかし、ここ数年前からちょこちょことある「ペースト食」のご要望に関しては、どうも行き詰っていまして…。
何とか対応できるところを探しておりました。

そんな折、一本の電話が…。
東京の介護食を開発&販売するSITさんという会社です。
なんでも二見の大石屋さんからツアーセンターを紹介してもらったと連絡がありました。
内容は、来月に三重県に行くので、開発しているペースト食をぜひ試食して欲しいということでした。
食事のことで、頭打ちしていた私たちには、飛んで火にいる…(笑)ですよね。
もちろんOKしました。
そして、せっかく東京から来てくれるのだからと、センターに係わる宿泊施設さんにもご案内させていただきました。

SITさんのペースト食は「グランダペティ」という商品です。
素材ひとつひとつ単品でペーストして、組み合わせて食べたときに口の中で、料理の味がするのだそう。

さて、試食会当日が6月22日(火)

SITさんの担当は今藤さん。とっても綺麗な方でした。
それはさておき、この試食会には戸田家さん鳥羽シーサイドさんと、鳥羽一番街の食堂のみなさまに来ていただきました。
試食をするだけなので、それほど大々的というわけではないので、鳥羽一番街の会議室を借りて行いました。



試食会が始まりました。

チューブから出されるものは、何の素材がペーストされているのか見ただけでは分かりにくいです。色などが付いているものは、想像はつきますが…。



でも、口にしてみると、ほんわ~と「さといも」「かぼちゃ」「にんじん」「ごぼう」などが口の中に広がります。

ペーストをする際に、生クリームを少し混ぜているようで、どれもほんわりまろやかに少し味がついています。

これらの素材をお皿にトッピングして、ソースをかけて、「筑前煮」「きんぴらごぼう」なんて味がペースト食でつくられるのです。



すごいですね。
たべてみれば、ほんまそんな味がするのです。

また、ホタテやエビ、お肉などのメインになるような食材のペーストもあります。



ひととおり試食が終わるとみなさんで感想や意見などが自然と出てきました。
味としては、美味しいんだけど、少し味が濃いかな?って意見が…。
そのとき、中部と関西の間にいる三重県が味付けは関西なんだとみんなで妙に納得してみたり…。
確かに「薄口醤油」使います。

また、ホテルの方々はやはりコストのことを考えると、なかなか使いづらいな~って意見も。
そうか、ガックリ。
でも、個人宅には、作る手間なども考えるととっても手軽でとても便利だと思います。



ホテルや旅館だと、地元素材のペースト等があるといいのかもしれませんよね?
「松阪牛」とか、「伊勢海老」「鮑」などなど。高級ですが…。
でも、お客さんは地元の食事を楽しみに来られている方も多いですからね。

そんなわけで、SITさんには営業の成果が出せなくて申し訳なかったです。
今藤さん、遠方から来てくださったのに、成果だせなくてごめんなさい。
でも、私たちなりに、とても勉強になりました。ありがとうございました。

また今回、戸田家さんから介護食士の資格を持った方がいらっしゃいました。
これまた、この分野の開拓に光が見えた気がしてワクワクしてきました。

今まで、旅行先での介護食を諦めていたみなさん、「食」の充実もセンターは進めていきます。
すぐにとはいかないかもしれませんが、がんばりま~す!

7月3日(土)「PTA連合会南勢地区の総会」の講演はピンチヒッター

2010-07-01 01:26:29 | 講演・視察
このブログを三重県南勢地区(伊勢志摩)の教職員、PTA関係の方も読んでくださっていると思って、情報をお伝えします。

7月3日(土)に、いせトピアで行われる「PTA連合会南勢地区の総会」において、車いすバスケットパラリンピック選手八田(旧姓別当)由香さん(別ちゃんのこと)の講演が行われる予定でしたが、急遽変更になり、私、野口あゆみがピンチヒッターでこの日の講演をすることになりました。

このブログでもチラリと書きましたが、おめでたいことに彼女が懐妊し、現在つわりの真っ只中。実は、1ヶ月入院もしていたのです。(先週退院したばかり)
かなり、重症で本人も体力的に辛いよう。
ギリギリまで様子見しておりましたが、やはり安静第一だということで…。

実は、この講演の話は、昨年の秋ごろに契約をしていました。
話を持ってこられたのは、私の高校時代のよーく知る先生でもあったので、

「八田さんがもし妊娠して大変な状況だったら、野口さん代役頼むよ」

という条件を出されていたのです。
そのころは、まさかそんなことはないだろうと、軽く「はいはい、了解しました」と、言ってたのですが、まさかそれが現実になるとは…。

でも、そんなことは言っていられません。
別ちゃんの、母体を第一に考えると、それが正しい選択です。
無理して何かあってからでは遅いのです。

とは言え、この別ちゃんの講演開催は関係者の方々には既に案内済み。
皆さんにおいては講演者が八田由香さんになっておりますが、申し訳ありませんが、講演は私、伊勢志摩バリアフリーツアーセンターの野口あゆみが行うことになりましたので、ご了承くださいませ。
別ちゃんの話が聞ける!と楽しみにいらっしゃる方もおられると思いますので、講演の中には、彼女のあんな話やこんな話など(笑)、も織り交ぜながら進めたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

ちなみに、翌日4日(日)も私、津で講演があるのです。
連日です…。