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古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

もうすぐ若葉の季節です。

2011年04月05日 04時01分44秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 草を刈って道をつけた佐の広池の周回道を、きのうも散歩しました。今年は気温の低い日が多く、西向きの土手にはまだツクシがはえています。畑の草も「はびこってどうしようもない」と嘆くほどに伸びていません。それでも「世は春」です。
 佐の広池周回の散歩道から南の蓮花寺のを撮りました。田んぼの向うに点在する民家はうちので、竹薮の両岸に繁る美嚢川が写真の中央を横断し、その先は馬場と蓮花寺のです。竹薮の浅い緑は見えますが、その上はクヌギ、コナラの林です。春の陽を吸って芽がふくらみ、うっすら赤く見えます。

 見なれている景色ですが、それでも「いいなあ」と見とれます。ほどなく木々が芽吹き、若葉の季節になります。〝ビージーズ〝の歌う《 First of May 》のメロディーが頭の中で鳴ったのでいまブログを書くのを中断して、ヘッドフォンで聞きました。歌の題『5月1日』を日本では『若葉のころ』と訳してあるのがまたいいですね。
 そういえばルイザ・メイ・オルコットの小説《 Little Women 》は日本では『若草物語』という題で本になり、よく読まれています。これがまたいい。原題の『小さな女たち』では見向きもされなかったでしょう。
『若草物語』はアメリカで映画になりました。1949年(昭和24年)の制作です。四人の姉妹には、ジャネット・リー/ジェーン・アリスン/エリザベス・テイラー/マーガレット・オブライエンがなっています。ぼくは昭和26年、新制中学二年生のときに学校の団体鑑賞でこの映画を観ました。学校から並んで映画館に行き、ため息の出る美しい『総天然色』の映画を見て(カラー映画のことです)、夢見心地で学校に戻りました。
 敗戦から六年。まだ新制中学は校舎が間に合わず、小学校に間借りしていました。布を当てたズボンをはき、靴下を履いている子は少なかったように思います。それでもあの美しい映画が頭から離れず、洟垂れ小僧たちは、それぞれに夢を見たことでしょう。
 ある昼休み、うす暗い体育倉庫で<サー坊>という子とおしゃべりし、こっそり「あの四人姉妹の中でだれが好き?」とききました。彼はさも重大な秘密を打ち明けるようにためらってから「ベス」と言いました。(俳優でなく、映画では末っ子になったマーガレット・オブライエンの名前です)「オレも」とぼくも秘密を打ち明けたことをいまも覚えています。サー坊というあだ名の子がほんとうはなんという名前だったか覚えてないし、その後どうしたかわかりませんが、鼻の奥のツンとするような思い出です。
 あの頃はみんなひとしく貧しかった。テレビもビデオも冷蔵庫もなかった。だけど、みんなが、有り余るほどの未来をもっていたなー。
 
 
コメント
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