古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

田舎暮らしにあこがれる人人 (1)

2011年04月19日 01時30分45秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
「田舎暮らしをしたい」と思っても、いろんな事情で街に住むしかない人は少なくありません。写真の庭を見てくだっさい。道路から小屋まで二メートルちょっとの小径と左右の植え込みを写しました。家の前の道路をへだてた、いわばお向かいさんの庭です。
 神戸の市街地に住んでいる人ですが、いま週に2~3日自動車を運転して庭と畑の手入れに来られます。海岸のほうからここまでは自動車で一時間かかるそうです。50坪ほどの土地に水洗便所と電気・水道のついた小屋を建て、小さな庭に花の苗を植え、木を植え、水をやり、畑をつくり、しばし田舎の空気を吸って帰られます。
 60歳代の女性が、往復二時間車を運転して、週に二、三回通うほどの魅力がここにはある。写真を見ると庭にそそぐ愛情が見えるようです。まわりのたたずまいもいい。話を聞いてみるとこの土地を手に入れられたのは地震前だったそうです。「ここは電気も水道もあったので神戸の地震のときは助かりました。ここに来て米を洗ったり洗濯したりしました」と話されたことがあります。もう二十年近くもここに通って庭や畑の手入れをしておられます。
 このあたりのことがなにもわからなかった足掛け5年前の2006年夏には、家を建てる前に「田舎暮らしをしようと思うなら、事前にしっかりあいさつしないと村八分にあうよ」と大豆畑トラストの人に忠告され、二人で村の数軒にあいさつにうかがいました。一軒ずつ訪ね、それぞれの家の玄関を写してアルバムに整理して名前を覚え、立ち話をして土地の事情をききました。
 我が家から50メートル山のほうに道路を上ると、山の田んぼに行く道とかつての分譲地(いまも分譲していますがだれも見に来ません)に行く道にわかれます。そこに街から畑作りに通う人にもあいさつに行きました。一軒は尼崎の武庫川のほうから時間をかけて軽自動車のバンで通う老夫婦で、小屋を建てて斜面を階段状の畑にしておられました。しかし山を畑にするには土からつくらねばならずずいぶん手間がかかるようです。もう一人は伊丹のほうから畑作りに通う人で、100坪くらいの畑にいろんな作物をつくっておられます。小屋を建て、屋根に降る雨をドラム缶に溜めるようにして、利用しておられました。
 さてこの地に暮らし五年たってどうか。村の人たちとは交流が深まり、散歩で会うと話し込むこともあります。畑に上がってこられ、おしゃべりすることもあります。街から畑作りに来る人とは、お向かいさんを除いて距離感が一ミリも変わりません。
 そういえば神戸の街に住んでいたときもそうでした。街がそうさせるのか。人がそうさせるのか。また考えてみます。 
 
コメント
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