昨夜のカレーを温め直し、濃いめの出汁をとる
料理の味付けに失敗したとき、カレー味にしてごまかしちゃうという手段がある。
元々のカレーのほうは、人格的にみてもキチンと自立しており、バイタリティーに溢れた立派な人物といえる。
ご飯を伴えばカレーライスとなり、ナンを伴えば本格的インド料理となって、ナン世紀も人々を魅了し続けている。
その、誰からも敬愛されているカレーが、失敗料理の後処理などという業務に関わってくると、とたんにむくつけき人物となる。
「あっ、サラダにカレー粉まぶしちゃったな」
「よくも肉じゃがをカレー味にしてくれた」
と、ときには人々の怒りを買ってしまう場合もあるのだ。
僕はこのあいだ
『缶詰blog』のほうで、久しぶりに鯨缶詰を食べたのだけれど、それがなんとカレー味だった。
数年ぶりの、せっかくの鯨肉が台無しであった。
適材適所。優秀な人物をしかるべきポストに置かなかった場合の代償は、とても大きいのである。
茹であげたうどんはよく洗いましょう
しかし、カレーの懐はやはり深い。
他の業態にも積極的に参加し、その身を捧げて新事業を立ち上げてきた。
休日の我が家でも、鰹の出汁で薄められ、且つショーユ・みりんで純和風味付けをされたあげく、うどんの上から掛けられたのである。
これぞ、カレーうどん誕生の瞬間である。
シルクロードを渡り、遙かインドからやって来たというのに、鰹出汁や長ネギとの相性が抜群にいい。
カレーのレーゾンデートル(存在意義)はターメリックの黄色くらいしか残っていないのに、うどんとまみれても泰然としている。
やはり本物の人物というのは、環境によって劣化したりしないのだ。
蓮の花が泥沼に咲くように、カレーも異国の地でカレーうどんとなって輝いている。
それにしても、さ。
カレーうどんの汁がハネないように、うまく食べる方法って、ないもんですかねー。
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