
最近は“戦場カメラマン”が人気だが、この画像に写っているのは観光カメラマンであります。
「ん? 観光客が写真撮ってるんなら、普通じゃね?」
こう思われる読者諸賢もいらっしゃると思うが、ここサントリーニ島では規模がすごい。
上の画像は観光カメラマンのほんの一部。こういう人々がずらーっと、日没を撮るために並んでいるのだ。
しかもみな、日本製の高級一眼レフを持っている。
レンズも赤いラインが入っていたり、金のかけ方が一桁違う。
日本人の僕はというと、キヤノンのEOSキスである(一眼レフ入門機)。
しかも持って行った三脚が安物で、カメラを装着したら“ゴトリッ”と音を立てて雲台がひっくり返った。
恥ずかしい。

サントリーニ島、イアの夕景
これを見るために世界中の人がやってくるのだ

雲までドラマチック!

かくしてサントリーニ島に別れを告げる

最近の飛行機は航路案内が3Dだ

アテネのエレフセリオス・ヴェニゼロス空港
ギリシアらしく青が多い

エレクトラ・ホテルに投宿
シンタグマ広場に近く立地が抜群
ギリシアの首都アテネ。
アテネといえばパルテノン神殿、ゼウス神殿など紀元前の遺跡で有名だ。
僕が遺跡好きになったのも、思えば21年前にアテネを訪れたのがきっかけでありました。
なぜ遺跡に心を惹かれるのか。
それは分からない。
しかし、遺跡の足元に、名も知れぬ花が風に揺れているような、そういった風景がたまらなく好きだ。

パルテノン神殿の監視員。文句なくカッコいい女性

遺跡の調査や復元にトロッコを使ってるようだ

アテネではトロリーバスが現役で活躍
(屋根にパンタグラフがある)

複雑に交差する電線網。アテネらしい風景だ
日本も昔はこうだったよなァ

パルテノン神殿より大きかったというゼウス神殿
子供は遺跡よりサッカーに夢中

こういう風景に心を激しく惹かれる
紀元前に栄華を誇ったギリシアも、今は国の財務状況が著しく悪い。
しかし多くのギリシア人は陽気だ。そして根が真面目。
だから質問をすると、テキトーに答える人はあまりいない。じっと考えて答えてくれる。
中には
「日本の経済状況はどうなの? 市民はどれくらいの借金を持ってるの?」
などと訊いてくる人もいて、こっちもちゃんと考えて話さないといけない。
そういうギリシア人の木訥なところは、あの透き通るような青い空と海によく似合っている。
というより、あの混じりっけのない青(碧でも蒼でもない、本当の青だ)を見て育ったのが、ギリシア人なのだということか。

遠慮がちに食べ物をねだるネコ

高級ホテル(帝国ホテル級)前でも平気で寝る犬
ギリシアは犬もネコもみんなで育てている

ブーゲンビリアに覆われたホテル

ギリシアの代表料理スブラキ
ケバブと同種の、肉の串焼き料理

夜のアテネからはアクロポリスが見える
かくして今回の旅は終わったのであります。
思えば、どうして人は旅に出るのか。
いや、人によってはまったく旅に出たがらない人もいる。
つまり、自分はなぜ旅に出るのか。これが疑問だ。
それはどうも、幼い頃の記憶が働いているような気がする。
「あの山の向こうはどうなっているのか?」
こういった疑問を常に持っていたような気がする。
そういう根源的な疑問を解くために、いろんなところへ行きたがるような気がする。
そういう“気がする”関係は、いずれちゃんと考えようと思う。
折しも哲学書が売れているという現代。あの哲学発祥の地、ギリシアの人のように、純粋に考えてみるのもいいかもしれない。
それにしても...。
ギリシアの空は青かった!
おわり
第1話へ!