80年代の半ば、留守番電話機が一気に普及した時期がありました。
それまでは、録音する機械が別売りで、電話機とつなげて使うようになっていたのです。
折しも、バブル景気に向かう最中のこと。若者たちはおしゃれな一人暮らしに憧れていて、そんな若者をターゲットにした商品がいくつも出てきたのでした。

電話機を冷蔵庫に入れておくのがおしゃれな時期もあった
応答メッセージは、みんな自分の声で吹き込んで作っていたのだけど、これがなかなかキンチョーしたものです。気に入らないと、マイクロテープを巻き戻して、何度も録り直したりして。
そこに誰かが思いついてBGMを入れるようになったのは、間もなくのこと。この選曲にはみんな凝ったものでした。
“短めの前奏で、インパクトがあって...”
なんて考えたのですねぇ。
だから、そういうところに電話を掛けると、最初にまず何かの曲の前奏が流れる。そうして程良いタイミングのところでようやく、
「はい、こちらは○○です。お電話ありがとうございます。あいにく私は外出しております...」
なんて聞こえてきたのです。
丁寧な口調が泣かせます。それを聞いたほうの人物も、割とキチンとしたメッセージを吹き込んだ。
“気の利いた台詞を残さなきゃ!”なんて考えた。
今だったら「ただ今、留守にして...」というメッセージを聞いたあたりで電話を切ってしまう。他に連絡する手段がいくつもあるからですね。ましてや、そこに音楽なんか流れてきても、誰も聞いている暇なんかないだろうなぁ。
思えば当時は、ずいぶんとのんびりした時代だったのですね。
一眼レフを手に入れてから約3ヶ月。写真を撮るために出掛けることが多くなりましたっ。
こんなにハマるとは、まったく予想外のことだったなあ。

six o'clock in the morning
露出が適当だったのか。測光を間違っていなかったか。写真が出来上がるまでは分からない。
もっと経験を積めば、おおよそ予測出来るのだろうけど。まだまだそこまでいきまへん。

two o'clock in the afternoon
デジカメだと、撮影した現場で分かってしまう。今更ながらその便利さに感心しております。
測光の目安のために、デジカメを持ち歩くプロもいるそうです。デジカメでチェックしてから、フィルムカメラを使うのですね。それだと失敗が少なくていいだろうなあ。

five o'clock in the evening
モノクロフィルムの場合、近所のDPEで、仕上がりまで三日間掛かる。
実は、その待ち時間がけっこう楽しいのです。これは忙しない性分の僕にとって、貴重なクールダウンの時間かも知れない。
もっと時間が経って、写真が生活の一部になってしまう前に、この気持ちを記しておこう。
追:何だかカッコつけてる文体なので、少しリアルなことを付記します。この三枚の写真はすべてカラーフィルムで撮ったものを、Photoshopでモノクロに加工したもの。
はじめからモノクロフィルムを使ったものかどうか、その違いは意外と分かりにくいようです。一寸オソロシイですねえ。

4丁目和光のクリスマスディスプレイ。
ディスプレイ・デザイナーと、それをケータイで撮る和服の女性。
この記事は『がんばらないで、やせよぉ』“銀座和光の飾り(クリスマス飾り2005 その13)”にとらばっ!