僕は生来やりたいことが多く、いろんなことに手を出した。
空手、テニス、登山、吹奏楽、ジャズ、美術、マンガ、小説と、ざっと想い出してもこれだけ出てくる。
これを多才というとカッコいいが、ひとつのことをやり遂げた経験がない。
大人になると、ひとつのことをやり遂げた人のほうが強い。
粘り強さ、押しの強さが違う。
そこに僕はいつも負い目を感じていたんであります。
ところが昨夜、
「それでもいーではないか」
と突然、開眼した。
というのも、自分の本を出せることになって、そこで使うイラストを書き始めたからだ。
今日はいよいよ、ペン軸とペン先、ケント紙を買ってきた。
こんなのを買うのは中学校のマンガ研究会以来である。
「そうそう、Gペンは柔らかいんだよな」
なんてことを想い出す。
友人とマンガの同人誌を書いてたような経験も、ちゃんと仕事で生かせることになったのだ。
こうなると初めて、オレはオレで良かったんだと思えるようになる。
どんな経験も、無駄にはならないもんですねー。