くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

徹夜明けには...その2

2005-01-31 17:11:02 | 飲んで食べて
okayu400
ベーコンと人参のおかゆ 湯気撮るの難しいなあ

 横浜の中華街に、おかゆの専門店がいくつかあります。僕が好きなのは、ホリデイ・インのそばの角にある小さな店。こういうところだと、油条という揚げパンみたいなものがついてきて、それを千切っておかゆに混ぜながら食べると美味いんですね。それとザーサイも。
 
 霧に煙る山下公園を散策し、埠頭際のホテルで放埒の夜を過ごす。翌朝は思いがけず雪である。ルームサービスの誘惑を振り切って、中華街まで歩く。古びた格子戸を開けると、暖かい湯気と脂で光ったカウンターが出迎えてくれる。素焼きの瓶(カメ)に入った老酒を一杯だけもらい、ちびちび舐めながら熱いかゆを啜りこむ。
「ザーサイを取って下さるかしら」
「僕はあまり好かない」
「あら、美味しいのに」
「ほんの少しにしたまえ。味が濃いのだから」以上妄想。
 う~む、もうこんな情景が充分似合う年齢なのだが。これをキチンと僕に置き換えると
「ザーサイ取ってくれろ」
「やあねえ、そんなに沢山。みっともないわよ」
「いいじゃねえか美味いんだから。あっもう酒がないぞ。お代わりくださ~い」
 こんなところか。あああ情けない...ヽ(´▽`)ノ

追:この記事は『Spicchi*di*Sole』“Risotto alla milanese”、『Alice in wonderland』“七草粥”~にトラックバック。『Spicchi*di*Sole』はリゾットさんでした。


イルカちゃん

2005-01-30 20:00:11 | 雑記
 突然想い出したのですが。
 子供の頃、お風呂で遊んだイルカちゃん。全体はわりとリアルなイルカの形状をしたプラスティックで、モーターによって尾びれが上下にぱたぱた動くんだったと思う。それで泳ぐのですね。
 親戚の家にあったんだ。すっごく欲しかったのです。
 今でも売ってるのかなあ。


建築物フェチ

2005-01-28 16:07:02 | まち歩き
 この記事は『イタリアごろごろ猫記』“Renzo Piano, l'Architetto 建築家レンゾ・ピアーノ”~にトラックバック。
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 南青山にあるプラダ。全面スケルトンなので夜は特に面白い。この格子、ひとつひとつがかなり大きいのです。中を歩いている人を見ると分かりまふ(各画像クリック拡大可能)。


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 これは青山通りにあるビル。名前忘れてしまった。正面から見るとフツーなのだけれど、こうして横から見るとパネルがきれいだ。


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 愛宕グリーンヒルズと東京タワー。二塔建っていて、手前がマンション、奥に重なって端だけ見えてるのがオフィス塔です。


ionanohana180 おまけのお目汚し画像。“菜の花と戯れる されど嗚呼これ中年オトコ”。こういう大自然いっぱいのところも大好きです。
※クリックすると本当にお目汚しになるので注意。



憧れはグラハム・カー 湾岸道路編

2005-01-26 16:55:10 | 連載もの 憧れはグラハム・カー

『ソッチニイク、ヨロシク』
 ハヤトの元に、こんな電報が届いた。
 電報を受け取ったのは、初めてのことだった。だから彼は、文面よりも、電報という仕組みに感心してしまった。なるほど、これなら電話のない俺にも連絡がつくな、などと考えた。額や頬に汗の大粒を浮かべた配達員が、受取り確認の用紙を差し出した。ハヤトは部屋に戻ってハンコを探し、押した。それから改めて、その短い文章を読んだ。
 中野区江古田の、新青梅街道からほど近いアパートメントだ。ここで彼は、高校を卒業してから、初めての一人暮しをエンジョイしている。従って、東京の夏も、初めての経験だ。
 電報の差出人は、マサルだった。以前から、家を出たいと手紙で言っていたのだ。それがとうとう本当になったらしい。
 翌々日の朝、彼はやってきた。正しくアパートを探し当てて、やってきた。ホンダのオフロードバイク1台で。後部シートにはボストンバッグがひとつ、ゴムバンドでくくりつけられていた。
「ようよう、ついに来たな」
「ああ」
「どうだい、どんな気分?」ハヤトはタバコを一本差し出した。
「あのな」マサルは、自分のオイルライターで火をつけた。美味そうに一服する。「ずっとバイクで国道を走ってきてな」
「うん」
「夜通しで、10時間以上走り続けて」
「うん」

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「思いがけず、いろんなことが頭に浮かんだのだけど」
「分かるなあ」
「嫌なこともな」
「なるほど」
「それが、千葉に入って、湾岸道路という標識を見たときにね」
「うん」
 マサルは、そこで溜めていた息を吐き出した。「ああ、俺はついに東京へ来たんだ、と突然自覚した。そうしたら、それまで思い浮かんだ感傷的なことが、みんな消え失せた。ついに来たんだ、ってそれが強かった」
「そうか」
「そうなんだよ」
「じゃあ、いい気分か?」
「いいね」マサルは笑った。両腕を上げて、大きく伸びをした。「ああ、腰が痛いなあ」
「荷物はこれだけ?」
「そう。結局、着替えとか本とか、身の回りのものだけになった」
「今は夏だからいいけどさ、そのうち布団買わなきゃ」
「布団か」そこでマサルは吹き出した。くわえていた煙草の灰が飛び散った。
「何がおかしいんだ」
「だって、布団を買うなんて、そんな経験は今までしたことないよ」
「ああ、そっか」
「わははは。布団かあ。そりゃあ、必要だよな」
 この日から、二人の共同生活が始まった。
 85年の、夏のことだ。

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追:この記事は『マサルブログ』“家出”にトラックバック♪


コロんでもただでは...

2005-01-25 13:14:56 | エッセイ
 このあいだ、久しぶりに自分の頭頂部を見ました。友人が撮った写真によって。
 かねてから進行していたハゲさんは、新たな局面を迎えているようです。そのことは、少なからず僕を驚かせたので、ここに記しておきたいと思うのであります。
 まずは僕の髪の毛の状態を述べたい。
 正面から眺めると、「相当髪の毛が硬そうだな」という印象を受ける。しかし一本一本を手にとってみると、いわゆる剛毛ではないことが分かる。指先で、簡単に丸めることが出来る。太く、ツヤツヤして、栄養も充分に見えます。
 実は僕自身、鏡で自分の顔を眺めても、ハゲさんがいらっしゃることには全く気付かない。ここが、頭頂部ハゲさんの特徴なのですね。
 しかし今回の写真を見ると、本当に頭のてっぺん部分だけが、肌色に露出してしまっていることが分かる。「全体的にうっすらと...」ではないのだ。肌色の周縁は、若干名の弱々しいものもいるが、わりあい健康で太いのが密生している。頭頂部以外はみんな健康優良児。
 大きな大きな円形脱毛症、とも言える。
 フランシスコ・ザビエル型、とも言える。
 さて、このハゲさんとどう付き合うか。実はもう数年前から、増毛をすっかり諦めております。育毛剤に散財したり、ヘアーエステ(って言うのか?)に行ったりしなくなりました。「なるがままに...」とビートルズを真似、「すべては風の中に...」とカンサスを気取っております。
 さらに、この頭頂部ハゲさんの有効利用の道も見つかっております。パチパチパチ(拍手音)。それは対人関係において有用で、その効果もすでに実証されております。
 僕は、実際の年齢よりも若く見られるのが常なのだけど、これがいつも嬉しいわけではない。初対面の取引先が「こいつ若造だな」なんてナメてかかることも多いのです。若造イコール経験が浅い。御しやすい。つまりは「こいつんとこにはあんまり金を払わなくてもいいな」ということになる。人を使ったことのある方なら、お分かりですね。
 こういう相手に遭遇した場合、僕はわざと頭を深~く下げてお辞儀をしてみせます。するとどうなるか。
“あらら、この人大変だよ”、もしくは“うわー、きてるなあ”と驚きがあって、それから
“おいおいそんなにしたら丸見えだよ”、“どうかそのへんで頭をお上げになって...”と、後半は逆に気を使い始めたりする。こうなったら勝ちですね。
 ハゲていても、男一匹。常に勝負しているのですぞ。

追:この記事は、決して諦めないかっちんの『ハゲの人に勇気を与えるサイト』“悩まないで!一人じゃないんだよ!”、『J'sてんてんてまり』“繋がる意図、或いは糸”~に大変不埒なトラックバック♪ ついでに『音風景日記』“字が笑ってる”にもトラックバーック♪